理工系研究紹介2015|信州大学
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環境機能⼯学科⼯学部エネルギーEnergy物理科学科研究から広がる未来卒業後の未来像⽵下研究室エネルギーEnergy⼿嶋研究室研究から広がる未来卒業後の未来像加速器実験はタイムマシン:宇宙開闢に迫る竹下徹教授1982年広島大学大学院終了、理学博士、同年東京大学助手、1991年から信州大学助教授、教授素粒子物理学実験、電子陽電子衝突型実験OPALにおいて精密測定-素粒子の世代数を3と決定。陽子陽子衝突実験LHCにおいて新粒子探索-ヒッグス粒子発見LHC加速器ATLAS実験装置で測定したヒッグス粒子が4つのミュー粒子へ崩壊する事象、私たちはミュー粒子の検出を分担している宇宙開闢を解き明かす、最終兵器ILC加速器と研究都市の予想図。そこで実験を行うILD測定器の開発研究を進めている理学部次世代電気自動車への搭載をめざす全結晶型リチウムイオン二次電池(LIB)。コイン型LIB(左)とLIB用結晶の構造(右上)と写真(右下)海外の国際学会(フランス、イタリア、韓国など)および国内最大の大学見本市で発表する凛々しい未来の研究者たち(研究室学生)手嶋勝弥教授名古屋大学で博士(工学)を取得後、2005年信州大学助手を経て、2011年より現職。研究分野は無機化学、表面科学。夢七訓を胸に刻み、日々研究・教育に励む。元々、丸坊主で白球を追い続けた野球少年。努⼒の結晶!次世代エネルギー・環境材料を切り拓く結晶薄膜〜フラックスの挑戦〜世界最大の加速器LHC実験に参加して、宇宙開闢の謎解きを行っています。138億年前の宇宙の初まりを解明をする意味で加速器はタイムマシンに例えられます。超高エネルギー状態であった宇宙初期を人工的に作り出し、宇宙開闢0.1ナノ秒の時代を研究しています。LHC加速器はヒッグス粒子を発見し宇宙で質量が生まれた起源の解明に進みつつ有ります。次には銀河誕生の要因であるダークマターの発見が期待されています。さらにILC加速器計画に参画し、次世代「タイムマシン」による宇宙誕生のなぞに迫る研究に取り組んで行きます。138億年前の宇宙誕生は夢物語では無く、体や物体の究極の構成基本要素を探る素粒子研究が、今やこの世界で最も大きな対象である宇宙の謎を解き明かそうとしています。しかしまだまだ分からない事がたくさんあります。その一つ一つを解明してゆく過程は地道な英知の積み重ねです。「宇宙を理解する」という大きな夢に向かって、一歩一歩研究を進めて行く楽しさがあります。物理学の実験を対象に学生生活を送ると、多くの基礎知識とその応用を自分で使うことになります。これは社会に出て大いに役立つと考えています。そしてどんな社会活動も物理という基本が出来れば乗り越えることができます。『未来の車へ、夢の結晶電池を研究中』われわれが住む地球から学ぶことはとてもたくさんあります。手嶋研究室では、大石研究室・我田研究室とともに“地球・自然に学び、地球・自然を守る”をキーワードに、次世代のエネルギー・環境材料の創成をめざしています。特に、自然界で結晶(宝石や鉱物など)が成長するメカニズムをお手本にしたフラックス法(溶液の過飽和度の制御により結晶を育成)を基盤に、物質表面の組成や形状を自在に操っています。新しい材料の創出、新機能の付与あるいは性能の飛躍的向上を実現できる結晶薄膜作製技術を日々研究・教育しています。結晶とは、原子や分子が規則正しく並んだ物質で、物質そのものの性能を最大限に発揮します。その結晶を地球はたやすく作ります。同研究室では、次世代エネルギー(蓄電池・太陽電池・燃料電池)、ソーラー水素製造(太陽光で水を分解)、環境有害物質の無害化など様々な分野で活躍する“ウルトラマン”のような地球を守る優れた結晶材料をこつこつと作っています。日々の努力の積み重ねが、自身の未来を切り拓きます。同研究室からは、エコマテリアル&エコテクノロジーマインドをもった学生が巣立っていきます。そのため、卒業生は化学・材料系をはじめ、自動車、エネルギーや電機など幅広い分野で研究者・技術者として活躍しています。21

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