理工系研究紹介2015|信州大学
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理学部⼭⽥研究室「タイムマシン」よりすごい、⼩さな化⽯山田桂准教授日本学術振興会特別研究員、信州大学助教、同大講師を経て、2011年から現職。研究分野は古生物学、古環境復元地層から取り出した貝形虫殻の写真。殻はこのようなスライドに種類ごとに分けて並べる。マス目の一辺は3.5mmなので大きさが分かるサイズW7.5cm×H4.35cm配置位置横11cm、縦2.5cm天気がいい日の野外調査は最高に気分がいい。大きな崖では地層の縞模様が綺麗に見える。写真の中央左寄りに小さな人がいるサイズW7.5cm×H4.35cm配置位置横11cm、縦7.8cmサイズW3cm×H2.65cm配置位置横0.5cm、縦7.42cm⾃然・⽣命Nature地質科学科研究から広がる未来卒業後の未来像⼩野研究室⾷料⽣産科学科研究から広がる未来卒業後の未来像小野珠乙教授1985年から信州大学農学部勤務。旧世界ウズラ(ウズラ、ヒメウズラ、等)と新世界ウズラ(コリンウズラ等)を用いて生殖細胞の移植と新たな実験動物作出のための育種繁殖に関する研究。手作りの機材豊富。ウズラ初期胚の血管から始原生殖細胞を含む血液を採血して別のウズラに輸血して、ニワトリの卵殻で培養するニワトリの卵から生まれた生殖細胞キメラのウズラが成熟して、導入されたドナー由来のヒナが生まれる鳶が鷹を産む・・・か?A black hen lays white eggs農学部⾃然・⽣命Nature映画や漫画の世界に登場するタイムマシンは、まだ実在しません。でも、それがなくても私たちはすでに過去を知る方法を見つけています。タイムマシンの代わりになるすごいもの、それが「化石」です。地層の中に含まれている小さな化石を調べると、人間がまだ地球上にいなかった遥か昔の地球の様子まで知ることができます。私が、今注目しているテーマは、日本の気候に大きな影響を与えるモンスーン変動です。そのために、小さな化石を使って、縄文時代以降の人々が過ごした日本の気温や降水量などを調べています。私の研究室では、ごく最近の地球を対象にしている学生もいれば、約1000万年前の地球の様子を調べている学生もいます。また、この研究のために、野外を調査したり、生物の群集変化を調べたり、化石の化学分析を行ったりと、手法も様々です。このように、多様な時代・手法を扱う学生たちがそれぞれの目標を持って日々研究を行っています。時代は様々ですが、過去の地球を理解し、その環境変化のメカニズムを明らかにすることは、地球が将来どのように変化していくのか、を考えることにもつながります。地質学の知識は、多分野で必要とされています。そのため、建設業界や環境コンサルタント、資源開発の仕事に就く学生が多いようです。また、博物館学芸員、公務員、教員や新聞記者などになって、地質学の普及に務める学生もいます。発生を始めて間もないニワトリやウズラの胚の中で、将来精子や卵子になる運命をもった細胞、「始原生殖細胞」が増殖しながら赤血球と一緒に血流に乗って循環しながら最終的に生殖器官になるところにたどり着きます。そこで、オスでは精子に、メスでは卵子に分化していきます。そうだ!その血液を他の鳥類の胚に輸血すれば「鳶(とび)が鷹(たか)を産む」かもしれないね。こうやって、絶滅しそうで希少な鳥類を救い貴重で有用な鳥類を増やそう。自己責任が伴いますが自由な雰囲気で、陽気な研究室メンバーであふれています。卒業生はさらに大学院に進んだり、専門にとらわれず、あらゆる方面の社会人としてキャリアを積み上げています。鳥類始原生殖細胞の同種間移植・個体復元はニワトリとウズラで成功しています。このことにより、動物を継代繁殖によらずに始原生殖細胞の凍結保存→移植→次世代発現により、植物種子の感覚で家禽の種保存・復元ができる道筋が開けました。同一目に属する近縁種への細胞移植による次世代発現が可能となれば、希少種、貴重品種への応用の道が広がります。まさに畜産学がリードすべき重要な課題です。11

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