2015工学部研究紹介|信州大学
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研究から広がる未来卒業後の未来像情報⼯学科UnifiedModelingLanguageと呼ばれる言語を使って記述したモデルからソフトウェアを自動生成するツールを研究開発している自動的に生成するモデルソフトウェア⼩形研究室小形研究室では、良いソフトウェアを効率的に作る方法を研究しています。建築では、お客さんが欲しない部分を見逃して建物を作ると、手直しに膨大な時間と費用が掛かりかねません。そのため、建物を作る前にお客さんがその良し悪しを確認できるように、建築業者が模型等で建物の「概略」を作ります。同様に、ソフトウェア開発でも「概略」を「モデル」として記述することが普及してきましたが、モデルの有益な活用方法の研究は未だ不十分です。当研究室は、「使い勝手の良い」ソフトウェアの開発を促進するためにモデルの作成方法や支援ツールの研究を行っています。『モデリング』では、お客さんの要求を分析した結果に基づき、ソフトウェアを使ってできることを定義します。そこから機能の正しさや使いやすさを十分に理解・判断できれば、早めに適切な変更を行うことが可能となります。これは、具体的かつ詳細なプログラムを作ってしまってから発覚した問題を修正することに比べて、時間や費用を大幅に削減することが期待されます。『モデリング』には、物事の要点を的確に捉え、説明する能力が必須です。そして、この能力は企業が求めるコミュニケーション能力の本質と言えます。同研究を通して、その能力を高めた有能な人材の輩出を目指しているそうです。小形真平助教芝浦工業大学大学院工学研究科修了。博士(工学)。2012年より現職。オブジェクト指向開発技術、モデル駆動開発技術および要求工学手法に関する研究に従事。次世代のソフトウェア開発⼿法の研究:「プログラミング」から「モデリング」へ情報⼯学科研究から広がる未来卒業後の未来像リアルなCGを高速に作成するための研究や、モーションキャプチャデータから強化学習と呼ばれる手法でアニメーションを作成する手法の研究なども行っている国際学会で発表し、論文賞を受賞する学生も。上図は表彰式の様子と研究内容(確率的トピックモデルを用いた文書画像認識)(DAS2009)丸⼭研究室丸山研究室では、宮尾研究室と共同で研究室を運営し、画像理解・認識・検索、3次元復元、コンピュータグラフィックスなどを中心とした研究を行っています。我々人間は、目に映った画像から、どのような色、形状、特徴を持つ物が存在しているのかを理解する高度で柔軟な能力を有しています。また、このような能力は日々の経験の中で学習によって培われてきたものであると考えられます。当研究室では、人間の持つこのような学習・認識能力をコンピュータ上で、コンピュータの特長を生かして大量のデータを対象として、実現するための手法に関する研究を行っています。丸山研究室では、例題からの学習による画像認識、画像類似度検索、画像からの3D構造復元、コンピュータグラフィックス生成手法及びその応用等に関する研究を行っています。これらは、インターネット上での画像やムービーを対象とする検索、人間-コンピュータ協調システム、2D写真ではなく3Dシーンを保存するカメラの実現など、広範な応用が考えられます。近年、同研究室の卒業生のうちの半数以上は大学院に進学しています。卒業後の就職先はソフトウエア関連企業、電機メーカなどが中心で、その他、インターネット関連企業、研究分野を活かしてゲーム開発企業に進む学生もいます。丸山稔教授三菱電機中央研究所勤務を経て、1996年より信州大学勤務。1990-1991 MIT人工知能研究所visiting scientist.研究分野は機械学習、コンピュータビジョン、コンピュータグラフィックス。⽬に映る物を理解・学習する能⼒を計算機(コンピュータ)に58

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