2015工学部研究紹介|信州大学
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⼩林研究室情報⼯学科研究から広がる未来卒業後の未来像機能に気づかせるリモコンエージェント(左)と農園観測装置(右)写真サイズ高さ4.35cm×幅7.5cm配置位置横11.4cm、縦2.85cm農業情報公開サイト「農ライブ」8.15cm小林研究室では、インタラクションデザインに関する研究と情報通信技術(ICT)を用いた農業に関する研究に取り組んでいます。インタラクションデザインとは人間とロボットやソフトウェアとの間でやりとりされる情報とその処理過程をデザインすることです。一方的にロボットやソフトウェアなどに仕事を任せるのではなく、人間とのやり取りを通して、人間が得意なことと機械が得意なことを考慮して、協調的な問題解決を目指します。また、その応用として農業に情報通信技術を導入することで、データに基づく科学的で効率的な農園管理方法についても研究しています。私達の身の回りは便利な工業製品であふれています。しかし、そういった機械は本当に便利でしょうか?人間には非常にうまく周囲に適応する能力があります。慣れてしまっただけで、実は不便な部分がたくさんあるのではないでしょうか。人間の気持を悟り、気の利く機械があったらと想像してみてください。当研究室ではそんな未来を少しずつ拓く研究を行っています。自分から率先して問題を見つけ、持っている知識と技術で主体的に問題解決に取り組むことは非常に大切です。しかし、知識や技術を持っていなくても、想像力を発揮して、より難しい問題に挑むことはもっと大切です。そのような、挑戦し続けられる人物になることを期待しています。小林一樹准教授総合研究大学院大学修了後、関西学院大学博士研究員を経て、2013 年より現職。研究分野はヒューマンロボットインタラクション、ヒューマンージェントインタラクション、ICT農業など。インタラクションデザインとスマートアグリガジェット情報⼯学科言語障がい者の会話を支援するウェアラブルな会話エイドシステムの試作機(指先の動きでカーソルを移動し、音声を出力する)自動車の運転席など狭い空間でも利用可能な簡易型モーションキャプチャ・システムの外観(ドライバーの動作をリアルタイムに解析する)井澤研究室研究から広がる未来卒業後の未来像井澤研究室では、回路情報を書き替えることができるFPGAというLSIを用いた『リコンフィギュラブル・システム』について研究しています。近年のディジタル機器の寿命は短く、早いものでは数年の間に不燃ゴミと化してしまいます。回路情報を書き替えることができるFPGAを用い、ネットワーク等を介して最新の回路にアップデートすれば、『LSIのリサイクル』も夢ではありません。FPGAの潜在能力は高く、利用するアプリケーションに応じて回路情報を更新することにより、高性能CPUにも匹敵する処理を、より少ない消費電力で実現することも可能です。井澤研究室では、リコンフィギュラブル・システム以外に、音声や画像などの信号を効率よく圧縮する符号化方式の基礎研究も行っています。また産官学の連携プロジェクトの形で、運動センサーを用いて、人間の動作を解析するシステムの研究・開発も進めています。さらに言語障がい者の会話を支援する会話エイドシステムをWEB上に構築し、一般に広く公開するとともに、アンドロイド端末用のアプリケーションなども開発しています。主な就職先はIT企業やメーカーですが、最近は組み込みシステム関連の企業が増えています。井澤裕司准教授株式会社日立製作所を経て、平成7年より現職。研究分野は、画像や音声の符号化方式、ディジタル信号処理等。ソフトなハードウェア?『FPGA を⽤いたリコンフィギュラブル・システム』52

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