2015工学部研究紹介|信州大学
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情報⼯学科情報⼯学科研究室のナノリソグラフィー加工の例。この画像は原子間力顕微鏡のイメージです。1nm=10億分の1メートル研究室で作製したスピンメモリ素子写真サイズ高さ4.35cm×幅7.5cm配置位置横11.4cm、縦8.15cm劉研究室研究から広がる未来卒業後の未来像劉研究室では、電子の電荷とスピンを制御することによって、より高密度、高速、低消費電力の不揮発性メモリ及び不揮発性ロジック素子の創成を目指します。注力しているのは、電流、電圧によるスピンの方向の直接かつ自由に制御に向かってチャンレンジしています。同研究室では、髪の毛の直径の千分の一以下の厚さを持つ薄膜の作製技術とフォトリソグラフィーを用いたマイクロスケールの微細加工技術を組み合わせて、新規なメモリ素子の形成とその電気伝導特性、磁気特性、微細構造等様々な評価を行っています。現在電子の電荷制御を用いたロジック・メモリデバイスは高度情報化社会の中枢を担うに至っています。しかしながら微細化にすることによって、電荷の漏れ(リーク電流)の増大等問題が頭在化しています。一方、電子のスピン制御に関する技術を利用したメモリ・ロジックデバイスは、記憶不揮発性、高速動作、高集積化、高信頼性及び繰り返し耐性等の特長を持ち、BeyondCMOSの有力な候補となっています。大学院の進学率は平均で約50%。主な就職先は電気系会社、公務員等。常に広い視野で、大きな夢を持つこと、そして世界に通用する人材の育成は研究室の教育目標です。劉小晰教授中国蘭州大学卒業、同大学大学院で理学博士。群馬大学博士研究員、イギリスグラスゴー大学博士研究員を経て、現在に至る。電⼦のスピンを⽤いた新しい不揮発性メモリ界面活性剤の自己組織化を利用したメソポーラスシリカ薄膜の電子顕微鏡写真。約4nmの細孔がハニカム状に規則的に配列ナノ構造を観察するためには走査型透過電子顕微鏡(STEM)等の最先端電子顕微鏡操作が欠かせない20nm榮岩研究室(⼯学基礎教育部⾨)研究から広がる未来卒業後の未来像現在の情報化社会を支えているのは半導体を中心とする電子の流れ(電流)を制御する電子デバイスです。更なる省エネルギー・高速化の切り札として電子のスピン情報を活用するスピントロニクスデバイスが期待されています。榮岩研究室では、スピントロニクスデバイス材料として、磁気ナノワイヤー或いはドットが絶縁体を介して規則配列したナノ構造体に注目し、その材料開発研究を行っています。規則的なナノ構造を作るために、界面活性剤(石鹸)の自己組織化によって生み出されるハニカム構造の活用も進めています。停電によってコンピュータで行っていた作業が一瞬にして消えてしまった経験はありませんか?スピントロニクスデバイスは何時停電しても停電前の状態で起動できる夢のコンピュータを実現できる可能性を持っています。榮岩研究室では、そういったスピントロニクスデバイスを構成する磁性材料の研究を行っています。磁気デバイスは状態を維持するために電流を流し続ける必要が無く、スピン注入による高速スイッチングといった省エネルギー・高速化の有力候補です。同研究室の材料開発は、材料の合成に始まり、構造解析、元素分析、微細構造観察、電気・磁気測定による評価結果を再び合成条件にフィードバックすることの繰り返しで、正にエンジニア教育です。真空技術、測定・分析・観察技術を身につけたエンジニアが巣立っています。榮岩哲二准教授大学3年生の時に「これからはマグネだ!」と思い込み、それ以来、磁気記録材料・磁気センサ材料の開発とデバイスへの応用といった磁性材料を中心に研究している。最近は里山保全NPO活動も行っている。ナノサイズ磁性体の創⽣とセンサ・磁気デバイスへの応⽤48

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