2015工学部研究紹介|信州大学
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1.0 μm物質⼯学科頑丈なシリカカプセルにコバルトナノ粒子を閉じ込める:シリカの表面(右下の電子顕微鏡像)に吸着・触媒活性成分を塗ると、磁石で回収可能な吸着剤・触媒になるナノメートルレベルの薄いシートの間に分子状の柱を並べ、特定の分子をつかまえるための空間をつくることで、酵素のように特定の反応のみを促すことを目指す岡⽥研究室研究から広がる未来卒業後の未来像身近で当たり前のようにみられる現象は実は複雑で未だわからないことがたくさんあります。人間が再現するのも簡単ではありません。しかしこの中に画期的な素材を開発するヒントは眠っています。現在、幸いにも多くの先端的分析機器を利用できる環境にあります。この恵まれた環境を活かしつつ、分野を超えてあらゆる現象に興味を持って、誰も思いつかない発想で物質を「組み合わせ」れば、これまでにない新機能素材に出会えることが望まれます。化学に限らず、電気、機械分野においても新しい素材づくりには化学の知識、そして素材の性質を調べるための技術(特に大型機器で分析する技術)が必要です。これらをバランス良く学びながら、主体的に研究に取り組む方法を学び、企業等で研究開発の中核を担う人材を目指すことができます。生物が行う光合成や酵素反応、あるいは真珠やオパールといった宝石が美しい輝きや色を示すのはどのような原理に基づくでしょうか。分子がある空間に整然と並ぶ、あるいは粒子がきれいに並んで発現するためで、分子あるいは微粒子の「組み合わせ」により成せる業です。身近な様々な素材もこの「組み合わせ」でできています。岡田研究室では三島研究室と共同で、自然の不思議な現象にも興味を持ちながら、組み合わせの技術で役立つ素材開発(例:水を汚染する物質を効率よく集める吸着剤や汚染物質を分解できる触媒)に取り組んでいます。岡田友彦助教早稲田大学を卒業(1999.3)後同博士後期課程を修了。早稲田大学助手を経て2007年より現職。博士(理学)。研究分野は材料科学、表面化学、応用鉱物化学。分⼦や粒⼦を⾃在に並べ閉じ込めてつくる吸着剤・触媒47

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