2015工学部研究紹介|信州大学
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祭りの行列や商売のにぎわいを描いた近世初頭の「洛中洛外図屏風」からは、屋根の作り方や家のウラ側の土地の様子を読みとる近世初頭に測量・製作された「洛中絵図」の美しさ。道や街区の描写が、現状と一致する部分に感心、違っている部分にも関心早⾒研究室研究から広がる未来卒業後の未来像建築学科電気とお湯をつくる燃料電池(エネファーム)の外観写真サイズ高さ4.35cm×幅3.6cm配置位置横15.3cm、縦2.85cm住宅における消費電力量や太陽光発電と燃料電池の発電量を計測する計測器を設置した様子サイズW7.5cm×H4.35cm配置位置横11cm、縦7.8cm燃料電池の効率を計測するためのセンサーを設置した様子⾼村研究室研究から広がる未来卒業後の未来像建築学科現代の町並みが—家がたったり壊されたり、道ができたり更地が区画されたりと—日々かわっていくように、歴史的都市も、長い年月さまざまな人の手と意志と技術と地形的・風土的条件などが複合的に作用して今日にいたったにちがいありません。では、現代において細々と輝きを放つ歴史的な都市は、どのようにしてでき、どのような変遷を遂げたのでしょうか。早見研究室では、都市、そこにあったモノは何なのか、歴史資料の分析を通じて考えていきます。都市史研究には以下の諸点に魅力があります。1.歴史的な都市や建物を見学するのはおもしろい。2.都市で繰り広げられた活動や行為へ関心をむけることは、建物のたて方ばかりでなく、民俗・考古・経済・法制その他、人文・社会分野への興味を喚起する。3.実際に判明する事柄は都市についてのほんの断片・一側面に過ぎない。この断片から歴史(history)を復原する作業には、物語(story)を構築するのと同じようなスリル(と苦悩)。歴史的な環境や景観がいくら魅力的であっても、その時代にもどることはできません。過去にも現代にもなかった<快>を未来にむかって構想するためには、歴史的な時間感覚で現代を相対化・客観化する手続きが有効だと考えています。早見洋平准教授1975年徳島県生まれ。2002年信州大学工学部卒業。日本都市史・日本建築史。地球温暖化は大きな地球環境問題となっています。こうした背景に対して、2010年度の家庭部門からのCO2排出量は京都議定書における基準年比で35.5%増加となっていることから、家庭部門におけるCO2排出量の削減が急務となっています。高村研究室では家庭における電気やガスなどのエネルギー消費量や太陽光発電や燃料電池(エネファーム)等の発電量の計測を行い、家庭における消費エネルギーとCO2排出量の実態を明らかにしています。また、給湯機器等の住宅設備の消費エネルギーを計測し、実態に基いた住宅設備の効率やCO2排出量削減効果等を明らかにしています。居住者の使い方や気象条件が異なれば住宅設備の効率は大きく変わります。一般住宅における実態に即したデータを解析し、寒冷地である長野県内において快適性を損なわず、省エネルギーとCO2排出量削減を達成する住宅設備とは何かを明らかにします。また、省エネルギーを達成させるための住まい方や住宅設備の使用方法についても明らかにします。建築環境工学や建築設備に関する知識を習得することはもちろん、自ら考え行動する力を持った学生を育成しています。主な就職先はゼネコン(総合建設業)や住設メーカーなどです。高村秀紀准教授株式会社カネカ、信州大学工学部助手、信州大学工学助教を経て、2010年より現職。住宅のLCCO2(ライフサイクルCO2:住宅建設時から解体時までのCO2排出量)削減が主な研究テーマ。都市は何でできているか都市形成の根拠をさぐる⾼効率でCO2排出量削減効果が⼤きい住宅設備を探る38

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