2015工学部研究紹介|信州大学
33/76

寒川研究室年最大日降水量の100年超過確率降水量経年的に増加傾向にある(新潟)年降水量の非超過10年確率降水量経年的に減少傾向にある(新潟)研究から広がる未来卒業後の未来像⼟⽊⼯学科寒川研究室では、治水・利水計画を策定するための降水量の非定常頻度分析に取り組んでいます。治水計画とは洪水に対する計画、利水計画とは渇水に対する計画です。従来、これらの計画に用いる確率降水量は定常頻度分析から求めていました。ところが、降水量時系列は非定常性を示すことが明らかにされてきました。従って、非定常頻度分析が必要となってきます。同研究室では、この課題に早くから対応しています。今後は、GCMデータを使用した非定常頻度分析が行われ、洪水・渇水に対して安心できる国土の形成がなされる様になります。降水量の非定常頻度分析は、将来起こり得る洪水・渇水を防御する計画指標を与えます。洪水指標は増加する傾向にあり、渇水指標は減少する傾向にあります。どちらの指標も洪水・渇水規模を大きく取らなければなりません。このような指標により治水・利水計画を行うことは、世界的にみても初めての経験です。すでに、寒川研究室の研究は行政の指示待ちの状況になっています。洪⽔・渇⽔に対する治⽔・利⽔計画を策定するための⾮定常な確率降⽔量の算定寒川典昭准教授信州大学工学部助手、助教授を経て、2007年より現職。主な研究分野は、水文・水資源工学。特に、治水・利水計画に用いる降水量の非定常頻度分析。この分野での先駆的な論文を発表。現在、実用化の段階。寒川研究室の卒業生は、公務員、コンサルタンツ技術者となり、大いに活躍していいます。研究室で研究した内容を実務に生かすには、今少し時間がかかりますが、そのような状況になることは大いに期待されます。画像処理により、まちの景観を分析・評価し、地域・都市の計画づくりに活かす人工衛星データを活用して、土地利用の変化を分析し、将来の予測を行い、地域・都市の計画づくりに活かす藤居研究室研究から広がる未来卒業後の未来像⼟⽊⼯学科近年、自然環境の保全や持続可能な社会が求められており、環境に配慮した地域社会の構築が必要とされています。藤居研究室では、地方都市や中山間地域における計画論、地域環境および流域環境の分析・評価、社会開発に対する計画・手法などに関する研究を行います。研究内容は大きく次の3つの分野に分けられます。1.都市計画・農村計画に関する分野2.景観分析および評価に関する分野3.環境計画・環境評価に関する分野土地利用計画やマスタープラン等に係わる土地利用および地域環境、生活環境の時空間的変容の分析評価を行い、将来計画への反映を図ります。都市景観や農村景観の評価を通じて景観計画、景観保全を考えます。さらに、都市における景域変化をとくに緑地の配置から評価します。多くの卒業生が公務員(専門職)として、また、コンサルタント(都市計画、環境計画分野)会社やJRで活躍しています。藤居良夫准教授京都大学および同大学院修了後、島根大学を経て、現在に至る。地域の環境を分析してまちづくりを考えます31

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です