2015工学部研究紹介|信州大学
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自分で考えた新しいコグニティブ無線信号を、ソフトウェア無線機を利用して電気信号に変換。伝搬特性などの各種評価が行えるコグニティブ無線環境を評価するシミュレータ環境を独自に開発。無線機の動作を模擬し、端末間の相互干渉監視が可能!写真サイズ高さ2.65cm×幅3cm配置位置横0.5cm、縦7.42cm⽥久研究室研究から広がる未来卒業後の未来像電気電⼦⼯学科スマートフォンの登場により、携帯電話でインターネットがいつでも利用できるようになりました。ところが、契約者数が回線数を超え、回線破たんにより、すべての携帯電話が不通になる危険が迫りつつあります。その危険を回避する有力な技術が、コグニティブ無線です。無線回線を支える電波は、距離に応じて減衰するため、空間的な隔たりを利用すると、回線の再利用が可能になります。この現象を携帯端末が独自に見つけ出せる、インテリジェントな無線機がコグニティブ無線です。田久研究室ではシミュレーションや簡易無線機の実験を通し、その実現を目指しています。コグニティブ無線により、無線回線を究極的に増やすことができると、人同士の通信だけでなく、物対物との通信にも容易に応用できるようになります。ロボットのリモートコントロールや、近年注目度が高まるスマートグリッド網による、電力の遠隔管理についても、低価格で実現することが可能になります。コグニティブ無線を根幹にした、新たな生活スタイルが登場してくることと期待されます。携帯電話産業は最も活性化している産業の一つです。端末開発、オペレータ、さらにはゲームなどの携帯を利用したコンテンツ開発など、様々な業界から、人材が求められています。通信規格の標準化のため、世界的に活躍する技術者もいます。田久修准教授慶應義塾大学卒業、オーストラリアシドニー大学訪問研究員、東京理科大学嘱託助教勤務を経て、2011年より現職。研究分野は無線通信技術やリソース制御技術。趣味は、愛用のカメラでの撮影と料理。携帯電話の危機的問題を克服するインテリジェント・コグニティブ無線卒業後の未来像笹森研究室研究から広がる未来理論を追求し、手軽で効率の良い無線通信の実現を目指す!地デジやWi-Fiと同じディジタル変復調処理(OFDM)をマイコン上に実装し、PHSの無料音声回線を使った伝送実験で通信性能を検証する。写真サイズ高さ4.35cm×幅7.5cm配置位置横11.4cm、縦2.85cm複数台のパソコンをネットワーク接続して一台の高性能なパソコン(PCクラスタ)を構築し、コンピュータシミュレーションを実行する。写真サイズ高さ4.35cm×幅7.5cm配置位置横11.4cm、縦8.15cm笹森文仁准教授早稲田大学大学院を修了後、2000年より信州大学工学部助手、2006年より現職。研究分野は通信工学、特にディジタル移動通信。電気電⼦⼯学科Wi-Fi(無線LAN)やLTE(LongTermEvolution、3.9G携帯電話)、地デジ(地上デジタルテレビ放送)など、専門用語が愛称として定着するほど無線通信はとても身近な情報通信手段となっています。笹森研究室では、普段から何気なく使っている無線通信システムを支えている諸技術(スペクトル拡散、OFDM、ダイバーシチなど)の性能を理論的に追求して、手軽で効率の良いディジタル無線通信の実現を目指しています。具体的には、アマチュア無線などの音声回線や可視光、音をディジタル通信回線として活用するための信号処理について検討しています。スマートフォンの爆発的な普及によって、超高速な通信回線は必要不可欠なものになっています。一方、子ども見守りシステムや電気・ガス・水道の自動検針システムなど、位置情報や使用状況といった様々な情報を収集してサービス提供に役立てるセンサーネットワークでは、高速回線を必要としないケースも多々あります。より安く、簡単に、低消費電力で通信したいというのはユーザ共通のニーズだと思います。当研究室での研究の一例として、通話料無料の音声回線を効率良くデータ通信に活用する方法の探求が挙げられます。高度情報化社会において通信技術を必要としている企業は多いです。具体的な就職先としては、通信事業者、鉄道事業者、電力会社、通信機器メーカーなどが挙げられますが、つぶしが効く職種ですので、キャリアアップを目指して転職する卒業生もいます。25

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