2015工学部研究紹介|信州大学
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触覚センサの実験に使うロボットアームとインピーダンスアナライザ(撮影場所は長野総合工業試験所内)接触前後の容量変化の逆数の差と接触物体のヤング率との関係、実線はヤング率のみを考慮したモデルの理論値電気電子工学科伊藤秀明研究室研究から広がる未来卒業後の未来像電気電⼦⼯学科可視光通信の変・復調の実験:無線局免許や無線従事者免許が必要ないので、研究室でも自由に通信実験ができる写真サイズ高さ4.35cm×幅7.5cm配置位置横11.4cm、縦2.85cm遠距離での可視光通信の実験風景:現在共同研究している企業では、40km届いたという世界記録をもつ。衛星通信にも挑戦中写真サイズ高さ4.35cm×幅7.5cm配置位置横11.4cm、縦8.15cm半⽥研究室研究から広がる未来卒業後の未来像電気電⼦⼯学科伊藤秀明研究室では、クオーツ時計に使われている音叉型水晶振動子の設計に役立つ各種パラメータ(Q値、動的容量、周波数等)の解析とその動的容量変化を用いた触覚センサの開発に取り組んでいます。この触覚センサは柔らかいネオプレンゴムからプラスチックの硬さの物体への接触前後で動的容量が変化し、複数の異なる周波数を持つセンサを組み合わせて用いるとヤング率と粘性率を同時に測定できる可能性があることを理論的に解明しました。現在は、その実現に向けて触覚センサ・システムを構築して、その測定精度や解析モデルの改良に取り組んでいます。人間の手のような触覚センサを実現するために、音叉構造が粘弾性物体に接触したときの接触状態をモデル化して解析に取り組んでいます。接触物体をフォークト体の粘弾性モデルで扱い、音叉構造の基底部への接触を弾性基礎として扱って解析した計算結果は実験結果とよく一致することから、人間の手が持つ「硬さ」「柔らかさ」以外のゴムの質感(粘性係数)までも計測できるセンサを目指しています。水晶振動子はデジタル機器の基準クロックとして使われている基幹部品ですが、多くの企業ではブラックボックスとして扱われているのが現状です。卒業生は自動車関連企業や電子部品メーカーなど幅広い業種に就職しています。伊藤秀明教授信州大学助手、助教授を経て現在信州大学教授。水晶振動子の解析と応用、シリコン製機械振動子の量子変位の解析と機械振動子での古典的振舞から量子的振舞への遷移の解明。半田研究室では、主に電波を用いた移動通信方式の変・復調、符号化、通信プロトコルの研究を行っています。電波は見えませんが、携帯電話などで非常に便利に使われています。ここで紹介する研究は、LEDから発せられる光に情報を載せて通信を行う「可視光通信」です。光が見えますので、どこから情報が発せられているのか分かりますし、遮ってしまえばそちらの方向には届きません(秘匿性)。また、病院など電波が使えない場所でも、ガラス越しや水の中だって光が届きさえすれば通信することができます。明かりの必要な所で、LED照明が通信のインフラになります。省エネの代名詞にもなっているLED電灯は至る所に設置されますので、これらに可視光通信機能が付けば、ビル内でのGPS(測位システム)や放送電波の代わりにLED電灯から地デジの信号が受信できる、街灯の下に行けばその周辺のより詳しい地図が携帯電話にダウンロードできるなど様々な応用が期待できます。歴史が比較的新しい分野なので、若い人のアイデア次第で色々な可能性が広がります。学生は、研究室のモットー「よく遊べ、よく学べ」をよく守り、社会に出てからも遊びと仕事を両立して頑張っています。無線器機メーカー、携帯サービス会社、鉄道会社、電力会社など電気・電子・情報通信の殆どの分野で活躍しています。半田志郎教授神戸大学、長野高専を経て、2005年より現職.主に移動通信に関連する無線電波の変・復調方式、符号化・復号化、MIMO伝送方式などの研究開発に従事。近年は、主に可視光通信の研究開発に従事。棒理論による⾳叉型⽔晶振動⼦の各種パラメータの解析と触覚センサへの応⽤⾒える無線通信『可視光通信』〜LED の光で情報を伝搬〜24

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