2015工学部研究紹介|信州大学
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圧電セラミックの作製。このプレス機を使って、粉末をペレット状に成型し、1000℃以上で焼成することでセラミックスが得られる写真サイズ高さ4.35cm×幅7.5cm配置位置横11.4cm、縦2.85cm作製した圧電セラミックスの電気的特性の測定。温度や周波数を変化させて、誘電率や共振特性の確認を行う写真サイズ高さ4.35cm×幅7.5cm配置位置横11.4cm、縦8.15cm写真サイズ高さ2.65cm×幅3cm配置位置横0.5cm、縦7.42cm番場研究室研究から広がる未来卒業後の未来像電気電⼦⼯学科実験風景(a)光を用いたデバイス加工の様子、(b)薄膜作製工程の様子(c)有機太陽電池の測定、(d)作製した回路の電気特性評価の様子低温で作れる。材料の無駄を減らせるからエコ。高性能で薄くて曲がる回路も実現可能。有機デバイスは大面積で有利。LEDと違い点ではなく面で光る伊東研究室研究から広がる未来卒業後の未来像電気電⼦⼯学科圧電材料は圧力を加えると電気(電荷)を発生し、電圧を加えると変形(伸び縮み)する材料で、ライターの着火素子や超音波振動子などに使われています。番場研究室では圧電材料、特に圧電セラミックスの関する研究を行っています。現在用いられている圧電セラミックスの多くは環境や人体に有害な鉛を含んだものであるため、同研究室では環境に配慮した鉛を含まない圧電セラミックスの開発を目指しています。また、圧電セラミックスを用いた応用として、低周波、低エネルギーで駆動可能な超音波モータの開発にも取り組んでいます。圧電材料は機械的エネルギー(圧力、変位)と電気エネルギーの変換を行うことができる材料であり、振動子だけでなく、微小制御可能なアクチュエータにも応用されていますが、それらの特性を左右する材料開発は非常に重要な研究です。また新たな機構を考え、より良いデバイスを開発することも圧電材料の発展には必要不可欠です。これら実現のため、学生は地道な実験を繰り返しながら、日々研究に励んでいます。卒業・修了生の進路は電力会社から電気機器メーカー、公務員まで多岐にわたっています。どのような分野でも活躍できる人材になれるようにと研究室では研究遂行能力や問題解決能力をしっかり身につけるように指導しているそうです。番場教子准教授大阪大学大学院工学研究科物質化学専攻博士後期課程を修了後、信州大学工学部電気電子工学科助手を経て、2006年より現職。研究分野は電子材料。薄いフィルムが太陽電池になったり極薄の光源になる!?機能性のインクをミクロの単位で塗り分けたり重ねることができたら、厚さ0.1mm程度の紙のようなプラスチックが太陽電池や電子ブック、照明になる日が来るでしょう。伊東研では有機半導体と呼ばれる不思議な色素や加熱すると金属になるナノメタルインクやナノカーボンのインクを印刷のような技術で細かく塗り分けたり積み重ねて、微細な電気配線や、センサ、発光素子、太陽電池を開発しています。その中に潜む現象の解明と改良を重ねて薄い、軽い、曲げられる次世代の太陽電池や電子製品の実現を目指しています。伊東研究室では有機半導体や極薄の酸化膜や金属のナノ材料を組み合わせた光電子デバイスの作製とプロセスの開発を行なっています。高性能化を実現するための物理現象を解明すれば大幅な性能アップが期待できます。現状の有機太陽電池や有機発光素子の効率はシリコン系太陽電池や最新のLED照明の半分程度ですが、10年前から性能は5倍に増加。今後のさらなる展開を目指し学生達は実験や研究に日々参加しています。計測器や大手家電メーカーの他、精密機器、発電及びその周辺を扱う企業にも卒業生を排出。先生は「有機エレクトロニクスはこれからの産業。日頃の研究で得た知識や経験、問題解決能力は様々な分野で活きる。いろんな仕事に挑戦するように」と日頃から指導しているそうです。伊東栄次准教授東京工業大学卒、1998年より信州大学に赴任。2004年より現職。研究分野は有機半導体と酸化物や金属ナノ材料の融合による次世代センサ、太陽電池、発光デバイス、回路の要素技術の開発とエレクトロニクス応用。⼒を電気に、電気を変位にかえる圧電材料〜材料開発から応⽤まで〜薄い、軽い、曲げられる電⼦製品の実現へ。未来の太陽電池や光る回路の原理を解明する23

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