2015工学部研究紹介|信州大学
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中⼭研究室中山研究室で開発した「常温圧縮せん断法」で成形したチタン材は従来のチタン圧延材と比べると3倍の強度になることがわかった中山研究室で開発した柔軟であり荷重の大きさや方向を検知できる新しいセンサ(右側)とセンサを多数設置した車いす(左側)3 倍研究から広がる未来機械システム⼯学科卒業後の未来像中山研究室では、塑性加工を利用しながら、医学分野と工学分野の連携(医工連携)を中心として新しい材料の開発とセンサの開発や研究を進めています。例えば、今後は介護・福祉分野では介護ロボットが必要となると考えられますが、現在のロボットは金属やプラスチックで覆われているため、要介護者と接触すると危険です。そこで、介護ロボットや介護機器の表面に設置することができ、荷重の大きさや、荷重の方向を検知できる柔らかいセンサを開発しました。他にも、企業と共同で医療分野や自動車分野に利用できる新しい機能性材料の開発も行っています。中山研究室では、新しいセンサの開発や高強度な材料や機能性材料の開発を行っています。新しいセンサは介護機器にも使用できますが、コントローラーや感性工学にも利用できます。さらに開発した高強度な材料を自動車分野や航空・宇宙分野へ適用することも考えられます。また人工衛星の設計・開発も行っており、2014年2月28日にH2Aロケットで人工衛星を打ち上げました。目的を持って研究開発を行い、国内・海外での学会発表を行うような研究生活を送っていますので、あらゆる分野で力を発揮し、活躍しています。特に、中山研究室の卒業生は自動車関連や製造・加工関連で活躍しています。中山昇准教授秋田県立大学助手を経て、2007年より現職。研究分野は、塑性加工、非破壊検査。医学分野、福祉分野に利⽤できる材料開発やセンサの開発⻲⼭研究室研究から広がる未来卒業後の未来像機械システム⼯学科圧電セラミック素子を用いて発生させた波が構造物中を伝わる際の特性を利用して、構造物に生じた損傷を自動的に検出する亀山研究室では、軽量・柔軟な機械構造物の知的化(スマート化)による安全性や信頼性、環境適合性の向上に取り組んでいます。私たちの身の回りにある機械構造物は、さまざまな設計基準を満たすようにつくられていますが、近年、特に重要視されている設計基準として『安全性』『信頼性』『環境適合性』があります。『最適設計』『形状・振動制御』『ヘルスモニタリング』は、機械構造物の高性能化とともに安全性や信頼性、環境適合性の向上が同時に実現できる技術として、非常に期待されています。高性能化とともに安全性や信頼性、環境適合性の向上が求められる機械構造物として、例えば『航空機』があります。亀山研究室では、安全・安心でかつ環境に優しい革新的な航空機の実現に役立つ技術に関する基礎的研究を、数値シミュレーション・実験の両面から進めています。このような技術は、航空機のみならず多くの機械構造物に適用でき、将来の機械構造物の設計・開発において有用であると考えられます。立ち上げ間もない研究室のため卒業生はそれほど多くないものの、主に輸送・電気機器メーカーに輩出。研究活動を初めとした学生生活の中では、『自主性』と『物事を俯瞰的に見る力』を養うことを主眼においた指導を行っています。亀山正樹准教授東北大学大学院工学研究科航空宇宙工学専攻助教を経て、2010年4月より現職。研究・専門テーマは、空力弾性学、構造力学、最適化、等、主に知的複合材構造の最適設計。安全性・信頼性・環境適合性の向上を⽬的とした、機械構造物の知的化複数の設計基準を同時に考慮した場合の最適な構造を、コンピュータを利用して自動的に求める27.027.528.027.027.528.028.5 Pareto optimal solutionsNormalized fundamental frequencyNormalized compressive buckling loadxyz12

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