地域と歩む|信州大学地域戦略センター
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① 北村 明子 准教授② 金井 直 准教授③ 高瀬 弘樹 准教授④ 鳥山 香織 助教専門は舞台芸術論、舞踊演出論、身体表現。1998年早稲田大学文学研究科修士課程修了。2001年より現職。振付家・ダンサー。バレエ、ストリートダンスを経て早稲田大学入学後、ダンス・カンパニーLeni-Basso結成。2010年からソロ活動を開始。コンテンポラリー・ダンスを中心とするパフォーマンス論を研究する。専門はイタリア美術史および近現代美術批評・キュレーション。1996年京都大学大学院文学研究科博士後期課程修了。1999年同大学にて博士号取得。豊田市美術館学芸員を経て、2007年より現職。専門は身体心理学、生態心理学および認知心理学。2002年早稲田大学大学院人間科学研究科博士後期課程単位取得満期退学。2003年同大学にて博士(人間科学)取得。早稲田大学助手、東京電機大学COE助手を経て、2008年より現職。専門は建築計画、産学官連携、地域連携まちづくり。2011年八戸工業大学大学院工学研究科博士後期課程修了。同年博士(工学)取得。建築設計事務 所を経て、2012年より、リサーチ・アドミニストレータ就任。②①③④、通路となる。「茅野市民館」という舞台「往来」する劇場、地方都市における役割行った。音楽部門では2013年11月22日(金)にマルチメディア音楽コンサート「Anabiosis Passage-蘇生路」を開催した。ダンス部門では2013年12月25日(水)にマルチメディアダンスパフォーマンス「Emotional Strata-記憶の往来」を開催し、観客を魅了した。「基礎演習講座」は、ひとつの「実践演習プログラム」に対して2~3回実施している。茅野市民館のスタッフを中心に10名前後が参加し、外部講師と共にワークショップや情報交換を行いながら、作品づくりが進められていく。「基礎演習講座」は一般にも公開しており、市民の皆さんには完成品だけでなく、それに至るプロセスにも触れて貰う。信州大学からは、北村明子准教授をはじめ、認知心理学などを専門とする高瀬弘樹准教授、広報・ドキュメンタリー指導として美学美術史学を専門とする金井直准教授、産学官連携推進本部より鳥山香織助教がプロジェクトメンバーとして加わっている。そして、外部講師として、「映像」「音楽」「ダンス」の分野から多彩な専門家やアーティストが多数参画し、様々な分野からの示唆が与えられる。企画・総合プロデュースを行う北村明子准教授は、茅野市民館を「挑戦的で様々なものにオープンな劇場」だと評する。茅野市民館の開館は2005年。もともと、中心市街地活性化事業の中心プロジェクトとして建設が計画された施設だ。また、計画段階から市民が直接参加し、数多くのワークショップを繰り返しながら開館に至ったという経緯を持つことも特徴的だ。市民との関わりが強く、当初から地域に開かれた文化芸術施設としての役割に重きを置いており、地方都市における施設の在り方に対して高い意識を持っていた。そうした経緯、特徴を踏まえ「大学側から提案することで挑戦的な取組みが出来る場として思い浮かんだのが茅野市民館だった」と北村准教授。また、市民館が建つ諏訪エリアでこの事業を行うのには、もうひとつ理由がある。日本三大奇祭として数えられる「御柱祭」を始めとして、諏訪エリアには祝祭・儀礼文化が数多く残る。舞台芸術はもともと祭礼的な要素に深く関わるものが多い。「そうした共通項を地域の中に見出したことも、プログラムを進めていくに当って大きな要素でした」と北村准教授は語る。茅野市民館には、JR茅野駅へ直結する1本の通路がある。図書館が併設されたこの通路では、読書や勉強にいそしむ人々の姿もみられる。この茅野駅へ通じる通路が「往来」という事業名の由来にもなっているという。多くの人々が行き交う通路となる劇場があり、その空間が新たな出会いを生み、コミュニケーションのきっかけとなる。「様々な“往来”を起し、多様なコミュニケーションを生み出したい」という願いが事業名には込められているのだ。そして、地域とのコミュニケーションは、地方都市における文化芸術施設にとっても重要な意味を持つ。茅野市民館が「地域活性化」をひとつの目的として建てられたことからも分かるように、地方都市における文化施設の役割は、地域と密接な関わりを持っている。そのた652014.01.31 掲載

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