地域と歩む|信州大学地域戦略センター
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蔵の町並みキャンパス事業の一環でもあるが、工学部建築学科の調査研究活動は、毎年報告書にまとめられ、須坂市の歴史的建造物の保全と活用に役立てられている。平成24年度は、須坂の商工業、特に生糸販売や製糸業の礎を築いた旧小田切家の調査研究を報告書にまとめている。屋敷内に建つ建物8棟すべてについて、それぞれの部屋や部分ごとに、広さや構造上・素材上・装飾上などの特徴をまとめ、他の建物との関係や、時に柱などに書き記された文言なども考察しながら、それぞれの建物と歴史性と機能性等を考察している。また関係者からのヒアリングも実施、建物に関する古文書なども詳細に調べてある。蔵の町並みキャンパス事業は、須坂の歴史的な町並みをキャンパスにして、学生や研究者がそこから学ぶことを目指してスタートしたが、その学びの成果は、歴史的建造物の重要性の考察や、その保全・活用の方向性を考える上で大きな役割を果たしている。市民の建物や町並みに対する関心も高まっていると聞く。このような相乗効果が、同事業の最大の産物であろう。歴史的建造物の調査研究、保全活用旧小田切家住宅建物調査旧小田切家住宅建物調査の様子店 東側立面面図土蔵 北側立面図主屋 南側立面図632013.09.30 掲載

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