地域と歩む|信州大学地域戦略センター
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満員となった式典会場信州大学農学部が蓄積してきた様々な研究シーズを伊那谷地域の企業や各種団体のニーズと結びつけ、産学官連携の取り組みの強化、農林ビジネス拠点の構築を目指す「伊那谷アグリイノベーション推進機構」の設立記念式典が平成25年10月23日に盛大に開催された。式典は、長野県上伊那郡箕輪町の伊那プリンスホテルで行なわれ、産学官各界から約300名以上が参加。同機構の展望等を議論し、会場は熱気に包まれた。(文・奥田 悠史)伊那谷を始めとする日本の山岳風景というのは非常に魅力的なもの。こうした農村の景観と環境を守っていくためには、「攻めの農林水産業」を展開していくことが重要だ。この取り組みには、大きく3つの柱がある。一つ目は需要フロンティアの拡大。これは、日本食文化の世界規模での普及・拡大と農林水産物の輸出促進である。食文化の普及と輸出の促進という両輪をうまく回す事によって、グローバルな「食市場」の獲得に繋がっていく。次に、生産から流通、消費をつなぐバリューチェーンという考え方である。6次産業化による農林水産物や食品の高付加価値化を行い、農業を儲かる産業にすることが重要だ。こうした2つの柱を進めていく上でも一番重要になってくるのが、生産現場の強化という3本目の柱である。担い手の育成や農地集約によって、生産性を拡大していく必要がある。こうした取り組みを成功させるためには、産学官が連携を強め、地域のシーズを活かしていくことが重要だ。[皆川芳嗣氏(農林水産省事務次官)]長野県は、野生動物による農業被害が著しい地域だ。被害金額から見ると、北海道、福岡に次いで3番目だが、農業被害の面積を対作付面積あたりの比率で見ると全国で一番になってしまう。県内では、鳥獣害対策が盛んに行なわれており、対策の成功例は全国のお手本として使われている。さらに、農作物への被害だけではなく、牧草地の被食被害や農林業における産学官連携の推進について伊那谷発!産学官連携による獣害対策の新たな試み農林業・食品業の産学官連携 設立記念式典を盛大に開催!伊那谷長野県伊那谷アグリイノベーシ推進機構30信大NOW No.84plus+plus+地域と歩む。

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