地域と歩む|信州大学地域戦略センター
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●実践者・研究者・専門家 ― 多彩な講師陣が熱弁●修了生の実践的テーマ ― 地域振興のカギを握る本講座の最大の特徴は、講師の多彩さだ。信州の伝統野菜に造詣が深い農学部副学部長の大井美知男教授をはじめ農学部の教員が、蔬菜園芸学・農業経済学・機能性食品学などを講義した。また、地域の歴史と食文化について研究する副学長の笹本正治人文学部教授、「ながのブランド郷土食」で食品産業の振興の道を探る天野良彦工学部教授など、「オール信大」の陣容だ。長野大学の古田睦美准教授も地産地消と地域作りについて語り、県内高等教育機関の連携の強化にもつなげた。現場で活躍する実践者の顔ぶれも豪華。産直市場グリーンファーム(伊那市)、たてしな自由農園(茅野市・原村)、アルプス市場(松本市)など県内の有力直売所の運営者や、全国各地の農家から農産物の受託加工を引き受ける小池手造り農産加工所(喬木村)の代表など、県内の産直・直売・加工のカリスマリーダーが次々と登場した。その他、商品づくりサポートの専門家、農商工連携事業のサポートリーダー、県の農産物マーケティング室など、専門分野の方々も登場し、講義内容を掘り下げた。直売所・体験農場・加工所・レストランの複合施設で大きな発展を見せる三重県のもくもくファームや、それぞれ特色ある地域おこしの拠点になっている群馬県のららん藤岡、田園プラザ川場への視察研修も実施。また、小池手造り農産加工所での加工実習や、10月松本で開催された「信州松本そば祭り」での販売実習なども行なった。アグリビジネスブームの昨今、直売・産直事業に新たなビジネスチャンスを探して参入する企業なども多いが、講座では、単に運営ノウハウを学ぶだけでなく、直売所の社会的役割や、地域の持続的なあり方などにも視野を広げ、多角的な視野から考察を深めた。受講生の構成は右ページの図1のようなバランスだった。受講生のほとんどが、応募当初から「直売所を新規開設したい」「自家農産物で付加価値の高い加工品をつくり伝統食と伝統野菜について講義する大井美知男教授(農学部)信州松本そば祭りでの販売実習。受講生は「自分が薦める逸品」3点を消費者にアピールした山間地の加工所ではおばちゃんが元気だ!写真は、木曽町の三岳グルメ工房でほう葉巻きをつくる女性全国的に農産物直売や手造り加工の事業に熱い注目が集まっている。こうした中、信州大学では平成22年度、産学官連携推進本部(地域ブランド分野)が中心となり、広く市民に門戸を開放した信州直売所学校を開講した。この講座は、全国中小企業団体中央会の農商工連携等人材育成事業に採択されている。農産物直売所や、それと結びついた手造り加工を、農商工連携・6次産業化の原型と捉えた新な切り口のものだ。当初定員の3倍もの応募者の中から40人の受講生が選ばれた。彼らは、実に14期日29単元、合計53時間にも及ぶ講義・実地研修・視察研修を終え、直売所や加工所の次世代リーダーとして、また連携のキーパーソンとして巣立っていった。全国でも初めての例となった大学主催の直売所学校は、何を目指したのか?─ その取組みを振り返る。山間地の加工所ではおばちゃんが元気だ!写真は、木曽町の三岳グルメ工房でほう葉巻きをつくる女性全国的に農産物直売や手造り加工の事業に熱い注目が集まっている。こうした中、信州大学では平成22年度、産学官連携推進本部(地域ブランド分野)が中心とこの講座は、全国中小企業団体中央会の農商工連携等人材育成事業に採択されている。農産物直売所や、それと結びついた手造り加工を、農商工連携・6次産業化の原型と捉えた新な切り口のものだ。当初定員の3倍もの応募者の中から40人の受講生が選ばれた。彼らは、実に14期日29単元、合計53時間にも及ぶ講義・実地研修・視察研修を終え、直売所や加工所の次世代リーダーとして、また連携のキーパーソ全国でも初めての例となった大学主催の直売所学校は、何を目指したのか?─ 農商工連携のキーパーソンを輩出した信州直売所学校6次産業化の原型にフォーカス!20信大NOW No.68plus+plus+地域と歩む。

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