農学部研究紹介2014|信州大学
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野⽣資源植物学研究室研究から広がる未来卒業後の未来像荒瀬輝夫准教授帯広畜産大学大学院修了、京都大学大学院博士後期課程中退。民間企業を経て、2003年より信州大学農学部に赴任。博士(農学)、博物館学芸員。フィールドにおける植物分類・生態、統計学関連の教育研究に携わる。研究室所蔵の植物さく葉標本。北海道から九州まで、海岸・水域から高山に至るまでの植物を採集・保存し、教育研究に活用している。ヤマブドウ果房の調査(右上)、マタタビ果実の調査(右下)富士北麓における植生調査のひとコマ(左)⾷⽤・薬⽤から緑化まで野⽣の資源植物を学ぶ・活かす野生資源植物学研究室は、農場・演習林フィールドを管轄する研究室の一つで、農場・演習林の双方にまたがり組織の壁を超えて活動しています。カリキュラム上、森林科学科関連の研究室として扱われています。食用・薬用・緑化(植生回復)など「野生植物を資源として活かす視点」が他の研究室と全く異なります。そのための基礎として、植物の分類地理・生態の把握と特性の評価に取り組んでいます。鳥獣害や種子散布者としての位置づけで鳥類も研究対象としています。常に農学を意識し、広い視野で問題に取り組むため、普段から他研究室と連携していることも大きな特色です。未利用・低い利用の野生資源植物の中には、すぐれた特性を有するものが数多く埋もれています。当研究室では、現在のところヤマブドウ・サルナシ・マツブサ・ウワミズザクラ(食用)、マタタビ(薬用)、陸生スゲ類(緑化)などを扱っており、採集・栽培・加工による地域産物化や、資源量の評価につながると期待されます。また、伊豆諸島の台風崩壊地に調査地を置くほか、大学構内に造成したビオトープを管理しており、長期にわたる調査をもとに緑化や植生回復の技術に一石を投じることが期待されます。植物分類・植生調査・資源量評価の知見と技能をもとに、自然環境関係の公務員、教員、食品・緑化・環境アセスメントなどの業界で活躍することが期待されます。森林計測・計画学研究室信州は日本アルプス、木曽ヒノキ、浅間カラマツなど日本を代表する自然に囲まれた森林研究の最適地です。本研究室では、森を見る目を育てるために恵まれた森林を対象に、体系化された計測技術とノウハウを活かし、森林の状態や質、資源量など「森林の情報」を把握します。その上で、どうすればその森林が「より良くなり、理想の森になるのか」、考えます。キーワードは、森林調査、林分構造、リモートセンシング、GIS、森づくり森の様子を調べるには、次の2つのことを組み合わせるのが一番です。1鷹のように、上空から広い視野で見る2蟻のように、地上で樹木に触れながら森を調査する空と地上から森林の様子を広範囲に鋭い目でセンシングすることで、森の基本情報と診断を行い、森をどうしたらよいか、計画や管理に役立ちます。独自の技術を持つことで、森を見る視野が広がり、就職にも強い武器となります。卒業後は林野庁と都道府県の森林管理者、民間では航空測量やコンサルタントの研究員として活躍しています。加藤正人教授北海道立林業試験場資源解析科長、信州大学農学部助教授、教授、AFCセンター長、を経て、平成26年より先鋭領域融合研究群・山岳科学研究所所長。世界に向けてオリジナルの森林計測技術で森林を広範囲かつ詳細に半⾃動で分析し、管理森の基本情報:どこにどんな木がどれだけあるか?樹木を1本ごとに色分けしました。木の本数、樹冠の大きさ、樹種、位置、混み具合がわかります。(写真一枚or複数枚組み合わせ)森の診断:ヒノキの間伐地選択とヒノキの位置ヒノキ●の配置と本数が一目瞭然間伐の優先順位→濃い緑研究から広がる未来卒業後の未来像アルプス圏フィールド科学教育研究センター⽣産環境部アルプス圏フィールド科学教育研究センター⽣産環境部4142

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