農学部研究紹介2014|信州大学
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⾼冷地⽣物⽣産管理学研究室研究から広がる未来卒業後の未来像岡部繭子助教東京農業大学博士研究員、(独)農研機構食品総合研究所農研機構特別研究員を経て2009年6月より信州大学農学部。農家の生産圃場にある課題に目を向け、生産現場に近い研究に取り組んでいる。農家と同等規模の試験圃場で、緑肥栽培を組み込んだ作付体系による連作障害回避に関する研究を実施している長野県内外産のベニバナインゲン在来系統について栽培特性および子実品質の評価を行っている⾼冷地のフィールドで⽣産現場の問題にチャレンジする研究を!本研究室は、標高1351mにあるAFC野辺山ステーションのフィールドをメインの研究圃場として、構内ステーションの栽培学研究室と協力しながら「高冷地農業」に関する研究に取り組んでいます。現在は「緑肥を用いたキャベツ連作障害回避」と「ベニバナインゲンの栽培特性評価」という2つの課題を大きな研究テーマにしています。環境問題を念頭におきながら、「農家が使える栽培技術の開発」と「地域特産品の安定生産」を目指しています。私たちは農学部附属AFCの研究室ということを生かし、作物生産に関する作業を農家レベルの規模で体験しながら、研究を行っています。緑肥を用いたキャベツ連作障害回避に関する研究は、連作障害抑制効果の検討とともに、作業性等の面から農家経営の中に組み込めるかということも考慮しながら研究に取り組んでいます。栽培に関する研究事例の少ないベニバナインゲンについては、温暖化と安定生産をキーワードに地域の食文化を支える特産品生産に貢献することを目標にしています。この他、ソルガムおよび米の食用加工に関する研究もあわせて行っています。圃場作業を通して作物の栽培技術、圃場の生態系等についての理解が深まります。また、研究室員と協力して研究を進めることで、協調性を養うことが出来ます。卒業後は農業関連の会社、食品会社等で活躍できる人材になります。研究から広がる未来卒業後の未来像関沼幹夫助手信州大学大学院総合工学系研究科にて博士(農学)を取得後、2014年より現職。持続的な作物生産を可能にするための栄養診断技術の開発や、光合成に着目した生理生態の解明に取り組む。(写真一枚or複数枚組み合わせ)野辺山ステーションでの栽培実験の様子冷地におけるソバの最適な栽培方法の解明を目指す(写真一枚or複数枚組み合わせ)ソバの花の色は、白花と赤花がある!食べ方も多種多様!世界中ではソバが重要な国もたくさんあります!光合成から⾼冷地の作物⽣産を科学する-⾼冷地における作物の安定⽣産に向けて-実習を通して、収穫の喜びだけでなく、農作業の難しさや大変さを実感し、現場対応が出来る学生になることを目指します。また、研究の意義を実感し、日頃の座学の意味を考え、体験を通じて知識を身につけるよう指導しています。肥料は、植物の成長には欠かせません。研究は、進んでいますが、わかっていないことがまだまだあります。栽培・植物栄養・生態生理を統合して考えることにより、農業へ活用できる技術へつながります。必要な量を、必要な時期に施肥し、植物の力を最大限に引き出す農業を目指しています。また、先人の篤農技術は、科学的なメカニズムを解明し、理解し、後代へ継承することにより高度な技術の構築につながると考えます。作物の安定生産は、人類にとって長きに渡る課題です。研究は、中山間地において重要なソバを対象として、気候変動に応じるための基礎的な栽培試験に取り組んでいます。これまでは、光合成関連物質の非破壊計測の研究に取り組んできました。昨今の測定技術における簡便化・迅速化には目覚ましいものがあります。それらの技術をフィールドレベルに適応して、窒素施肥と作物の生産性のメカニズムをより詳細に調べています。また、雑穀栽培における雑草防除の労働力を軽減するための移植栽培の提案や、文化的な価値の継承を目的とした研究会の運営にも取り組んでいます。アルプス圏フィールド科学教育研究センター⽣物⽣産部アルプス圏フィールド科学教育研究センター⽣物⽣産部4041

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