農学部研究紹介2014|信州大学
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栽培学研究室研究から広がる未来卒業後の未来像春日重光教授長野県中信農業試験場、長野県畜産試験場等を経て、2002年4月より信州大学農学部。この間ソルガムなどの飼料作物の育種に従事してきた。現在は、飼料作物、園芸作物などの品種改良や栽培に取り組んでいる。作物の持つ⼒を発揮させる技術を探る-品種改良と栽培技術の改善を基に-栽培学研究室では、ソルガム、ライムギなどの飼料作物や水稲、ヤマブドウ、洋なしなどの果樹類、イチゴ、トマト、キュウリなど野菜類とシクラメンなどを素材として、品種改良も含め微生物資材やフィルム資材なども利用した栽培方法の改善に取り組んでいます。環境に調和した低投入持続型農業を目標に、飼料作物では品種改良を基にした栽培・利用方法の検討を行い、水稲および園芸作物では微生物資材等を利用した低コスト、高品質栽培に取り組んでいます。私たちは作物の品種改良および作物栽培の立場から、実際の農業現場で利用可能な新品種と栽培技術に関する基礎研究を行い、環境に調和した低投入持続型農業に寄与することを目指しています。各種農業資材や微生物資材等を用いた作物栽培の研究でも、実際の農業現場で利用可能な技術になることを心がけています。本研究室では今日までにソルガム、ヤマブドウなどの新品種育成を行い、現在はこのほかに洋なし、ライムギ等の品種育成と栽培・利用方法の改良に励んでいます。作物の品種改良、栽培等に関する試験を通して、実際の作物および品種改良に関する技術と安全で効率的な農作業の方法が身につきます。卒業後は農業関係の指導員や種苗会社、食品会社等で活躍出来る人材になります。ワイン用ヤマブドウの品種改良と栽培・利用に関する研究ソルガム新品種「SUX109-1」の育成と育成中の極早生ライムギSUX109-1の草姿新系統信大W-3 の果房動物⽣殖機能学研究室研究から広がる未来卒業後の未来像最近、人工授精後の雌ウシの受胎率が低下し、50%以下を推移しています。私たちは精子の運動機能、先体の生理的、形態的変化の正確な評価法の確立を試みています。精子は受精部位まで雌生殖道を移動する過程で、受精能獲得、それに続く超活性化運動、先体反応を誘起します。温度勾配や化学物質が精子の運動、移動を調節する重要な要因であることから、私たちは精子の運動(頭部、尾部)解析装置と雌生殖道の温度勾配を体外で再現できる装置を利用して体外の人為的な環境、条件における精子の走温性、走化性、および超活性化運動を解析します。発情、排卵に伴い子宮から卵管に至る高温への温度勾配の形成、排卵に伴う卵巣、卵子からの特異物質の分泌が確認され、受精部位までの移動には「走温性」が、受精部位での卵胞液、ホルモン等の化学物質への「走化性」がそれぞれ精子の移動、受精を調節、促進します。私たちは精子の走温性、走化性、超活性化運動、受精能を正確に評価し、人工授精後の雌ウシの受胎率の向上をめざしています。動物生殖に関わる実験を通して、精子の機能、受精機構を解明する能力が身につきます。家畜増殖に有効な技術、能力を養うことが可能です。卒業後は製薬会社、食品会社、農業関連会社、公務員として活躍しています。濱野光市教授社)家畜改良事業団を経て1998年4月より信州大学農学部。精子の運動生理機能、受精機構の解明精⼦の機能解析から家畜の効率的増殖(写真)精子運動解析装置によるウシ精子の頭部の運動の解析精子運動解析装置アルプス圏フィールド科学教育研究センター⽣物⽣産部アルプス圏フィールド科学教育研究センター⽣物⽣産部3940

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