農学部研究紹介2014|信州大学
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機能性畜産物製造学研究室研究から広がる未来卒業後の未来像河原岳志助教九州大学で博士号を取得後、2002年4月より信州大学農学部に赴任。動物の細胞培養や細胞工学技術を学び、本専攻所属後はこれを活かした食品の機能性評価研究を手掛ける。アレルギーの症状を引き起こすマスト細胞や、アレルギーモデル動物を用いた試験により、抗アレルギー作用が期待できる食品素材が多く発見された。冬季下痢症の原因となるロタウイルスや、集団食中毒の原因となる細菌毒素の働きを抑える食品素材を明らかにした。これまでヒトや動物細胞の培養を通じて、食品の新たな機能性を明らかにしてきました。その多くは学術論文という形で報告し、日本のみならず世界の研究者にも評価いただいています。また近年では研究成果を活かした製品開発にも協力しており、商品という形で広く一般の方々にも成果に触れていただく機会ができました。日本の食文化の素晴らしさが見直されてきていますが、今後もこのような活動を通じて地域と世界を結ぶ架け橋として貢献していけたらと考えています。食品の機能性開発を目的として活動する研究室のため、卒業生のほとんどは食品や飼料関係の業界で活躍できるような仕事を選んでいます。培養細胞の様々な応答を解析し、⾷品の新規機能性を探索する本研究室では、世界的に社会問題となっているアレルギーや例年ニュースで話題となる下痢症や食中毒などの症状を緩和できるような機能性食品素材の探索を行っています。山地に囲まれた信州の地には、未だ機能性が明らかにされていない食品素材が多く眠っています。免疫細胞や腸管上皮細胞、皮膚角化細胞など、病態の鍵となる種々の細胞の生物学的応答をヒントに機能性を明らかにし、有用な素材に日の目を当てることが我々の使命です。未来の機能性食品の礎となる仕事を心がけ、日々研究に取り組んでいます。ロタウイルス標的細胞?朴葉成分機能性⾷料開発学専攻⾷料機能開発学分野3738

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