農学部研究紹介2014|信州大学
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本研究室は、ゲノム情報の発現と機能制御機構を解析し、生命の基本的メカニズムの解明とその研究成果を予防医療や創薬に応用することを目指しています。疾患の多くは遺伝因子だけではなく、環境因子との複雑な相互作用によって引き起こされると考えられています。特に、生活習慣病や癌などは、環境因子(食物など)が引き金になっていると考えられています。これらの加齢性疾患は、高齢化社会を迎えるにあたって、今後益々増加することが予想され、予防医療および創薬のターゲットとして極めて重要な研究分野になると考えられています。超高齢化社会を迎える我が国において、健康維持・増進による疾病の予防と、健康長寿の実現が極めて重要な課題となっています。本研究室では、この課題を解決するために、ゲノムの発現と機能を生化学・分子生物学的手法で解析し、生命の基本的メカニズムの解明とその研究成果を加齢性疾患(癌、生活習慣病、神経変性疾患など)の予防・治療法の開発や創薬の開発へ応用することを目指しています。ゲノム科学・分子生物学・生化学などの知識や技術を修得し、生命科学分野の重要な課題に挑戦するために必要な能力が身につきます。卒業後は、化学・食品・製薬関連の企業で活躍できる人材になります。藤井博教授新潟大学医学部准教授を経て2007年1月より信州大学農学部。ゲノム情報の発現と機能制御機構の解析により、生命の基本的メカニズムを解明し、研究成果を予防医療や創薬の開発へ応用することを目指す。ゲノム情報の発現と機能を解析し、⽣命現象の仕組みの解明とその応⽤を⽬指す!ヒト癌細胞を用いてゲノム情報の発現と機能を分子・細胞レベルで解析癌の転移原因遺伝子FABP5の遺伝子発現制御機構および転移促進機構の解明とFABP5遺伝子を標的とした創薬の開発応⽤⽣命科学科応⽤⽣物化学分野25⽣理活性化学研究室研究から広がる未来卒業後の未来像健康保持に役⽴つ有機化合物をきのこに求めて-⽣理活性天然物化学-研究を通じて有機化合物の取り扱い、精製、構造解析技術が取得でき、有機化合物の性質を理解できるようになります。毎日の小さな発見を糧にポジティブ思考で研究を続けていけば、卒業後は製薬会社、食品会社、化学会社等で活躍出来る人材になることが期待できます。廣田満教授国立がんセンター研究所を経て1988年3月より信州大学農学部。研究分野は微量で顕著な生理活性を示す有機化合物を扱う生理活性天然物有機化学。地球上に生命が誕生して以来、様々な進化を経て微生物から植物、動物と色々な生物が地球上にあふれています。これら生物は進化の過程で形態の差だけではなく、種の存続に関係する独特な有機化合物を作り出すようになりました。私たちは生理活性天然物化学の立場から、生物が作り出す生理活性物質を探索し、健康保持に役だつ生理活性天然物の発見を通じて、優れた医薬等への応用を目指しています。本研究室では、有機化学、分析化学、機器分析などの知識・技術をベースに、きのこなどの天然資源から、私たちの健康保持に役立つ生理活性物質を見出す研究をおこなっています。きのこなどから、生理活性を指標として精製をおこない、純粋な生理活性物質を単離し、得られた化合物の化学構造を明らかにします。その化合物の構造を、化学反応により変換し、生理活性の強さを判定する構造活性相関の研究をおこない、活性を示すための重要な部分構造を明らかにします。そこから、より強力な作用を示す化合物の構造を推定し、合成を試みることも行っています。私たちは健康保持に役立つ新しいタイプの生理活性物質の発見から、医薬、化粧品への応用を目指しています。きのこのケロウジから単離した炎症抑制物質これらが抗がん活性を示すことを発見した。研究室での実験風景色々な機器を用いて、化合物の精製を行います。構造解析には、NMR質量分析計の様な大型の機器を用います。CH2OHCHOOHSarcodonin ASarcodonin GCH2OHCHOO応⽤⽣命科学科応⽤⽣物化学分野⾷品⽣化学研究室研究から広がる未来卒業後の未来像25

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