農学部研究紹介2014|信州大学
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緑地⽣態学研究室研究から広がる未来卒業後の未来像大窪久美子教授千葉県立中央博物館学芸研究員を経て1997年4月より信州大学農学部に着任。造園学における緑地や景観の保全、計画に関する研究を行っている。具体的には希少植物の保全や外来植物への対応等の基礎的、応用的研究をすすめている。(写真一枚or複数枚組み合わせ)研究対象地の一つである霧ケ峰高原:貴重な半自然草原群落緑地生態学とは、都市緑地のみならず、農村緑地、自然緑地をも対象とし、生態学的視点から地域管理計画を検討、策定していく学問領域です。緑地生態学研究室は1997年にできた研究室です。すばらしいフィールドが身近にある立地を生かし、実際には二次的自然や原生自然を対象とした保全的研究が多く行われています。外来生物の侵入と定着は、生物多様性の低下や在来生態系へ負の影響をもたらしており、国際的な問題となっています。本研究室では貴重な自然環境に定着している外来植物の現状を把握し、在来植物や在来生態系への影響を評価する研究を行っています。例えば、特定外来植物に指定されているキク科のオオキンケイギクは河原や堤防草地に定着しており、在来植物へ負の影響を与えていることが示唆されました。また、外来種のフサフジウツギは在来同属種と送粉関係で競合関係にあることがわかってきています。霧ヶ峰高原では県の外来植物駆除事業に参画し、具体的な取り組みに協働しています。緑地や景観の保全、管理を⾃然と⼈との関係性から探求する絶滅が心配される水生植物群落の自生地への巡検卒業生や修了生は環境、造園や林業関係の専門職として地方公共団体や国の公務員になっている方が多いです。また、民間企業では環境コンサルや食品関係等、幅広い進路をとられています。森林科学科⽥園環境⼯学分野佐々木邦博教授1985年に信州大学農学部に赴任して以来、信州大学で教育研究を続けている。専門は造園学。特に庭、公園、自然公園、名勝地などの歴史的研究を行っている。長野市松代町における水路網と池庭の分布町全体の特性がわかる。庭園の構成や植物を調査し、記録している。緑の環境と⽂化を探り、環境と景観を向上させる緑がある快適な環境を保全する、あるいは創りだすのが、研究の目的です。庭園や公園、森林など緑の場所には歴史、そして生活と関連した文化があります。現状の空間特性、環境や景観の特徴と上記の点を調査し研究して、機能や景観を保全し向上させるための緑地計画、また新たに創りだす緑地計画を作成していくための研究を行っています。さらに、各場所の研究にとどまらず、広範囲に都市全体を調査研究の対象とし、都市にあるさまざまな緑地の特性と関連性を明らかにしていく研究を行っています。研究室では、緑地や景観の保全や創造・計画・管理に関する研究以外にも、自然公園や森林公園の中でのレクリエーション活動や、緑によるまちづくりなどの研究も行っています。緑豊かなより良い生活環境づくり、そして自然の公園を含め、緑地の環境保全とさまざまな社会的ニーズに対応した利用の実現を目指していきます。公務員になり、造園の専門家として活躍したり、造園関係のコンサルタントや建設業の会社、また公園の管理や運営を行っている会社に就職しています。造園学研究室研究から広がる未来卒業後の未来像森林科学科⽥園環境⼯学分野2020

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