農学部研究紹介2014|信州大学
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森林政策学研究室研究から広がる未来卒業後の未来像三木敦朗助教信州大学農学部を卒業後、岩手大学(「持続可能な発展のための教育」の促進を担当)などを経て、2009年度より現職。博士(農学)。環境教育などのコンテンツを、ビデオやイラストで制作することにも挑戦している。調査は、森林と関わる現場を訪問しておこなう森林を活用しようという市民のみなさんとのワークショップ森林を活⽤した、ほんとうの意味で豊かな暮らしをつくるために森林・林業を多様なものとして考えると、新しい可能性が拓けるのではないか--森林政策学研究室では、そう考えています。林業は木材を生産するだけでなく、様々な材料・食料・燃料などを生産する産業です。また、森林に関係するレクレーションや文化を支える産業でもあります。森林・林業にどのような可能性があるかを、新しい実践や、地域の歴史の中から探り出し、またいかなる振興策をとればよいかを明らかにすることを目指しています。https://www.facebook.com/shinshuforepol2011~13年度は、高齢化が懸念される狩猟者(ハンター)についての調査をおこない、新規参入者が定着するための方策を考察しました。現在は、林業作業がより安全かつ効率的になるためのツール(安価な超小型コンピュータを用いる)を、異分野との共同研究で開発しています。林業のプロ(専業的労働者)だけでなく、セミプロや自伐林家、森林ボランティアの人々にとっても役立つものを目指しています。また、学生とともに、林業・木材産業などの調査もおこなっています。ここ数年では、公務員(森林・林業関係)や、製材メーカー、住宅・建築メーカー、観光業などに就いています。いずれも、研究室で学んだこと、研究したことが活かされています。森林科学科森林環境科学分野森林施業・経営学研究室研究から広がる未来卒業後の未来像齋藤仁志助教日本学術振興会特別研究員経て2012年2月より信州大学農学部。効率的かつ安全な森林資源利用手法開発のため、森林内路網配置や高性能林業機械を利用した作業システムに関する研究を行っている。⽊を伐る技術を考えるー森林の無駄ない活⽤を⽬指してー高解像度DTMと作業道崩壊調査の結果作業道の崩壊危険性が判断可能になる豊富な森林資源がありながらも、急峻な地形である長野県を地域的特徴を活かしながら研究を進め、同様の問題を抱える、他地域でも活用できる技術開発を進めていきます。それにより、日本国内において、成熟期に達した森林の利用が促進されることが期待されます。また、現場技術と情報化技術を融合し発展させることで、高齢化の進む林業技術者の技能を伝え、高度な技術者を養成し、豊富な資源を活用した、地域産業の発展に寄与できる研究を進めることを心がけています。森林施業・経営学研究室では、森林資源の無駄ない活用を目指して、植え付けから伐採、販売まで林業経営に関する研究に取り組んでいます。特に、成熟期を迎えた日本の森林では木材を伐採し搬出する研究が欠かせません。そこで、私たちはこれまで培われた林業技術者の技能と、情報化技術を融合し、高解像度情報を用いた路網配置自動化手法や、低コスト一貫作業システム検証を行っています。これらの研究を通して、現場と研究を結びつけ、信州の豊富な森林資源を活用した、産業としての林業の発展を目指しています。研究を通じて、森林の現地調査手法だけでなく、GIS、GPS等情報処理技術が身に付きます。多くの現場を経験することで問題発見・解決能力を養うことが出来ます。卒業後は技術系公務員、素材生産業者等で活躍出来る人材になります。作業道作設調査の様子林業生産に不可欠な基盤整備を促進する森林科学科森林環境科学分野1919

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