農学部研究紹介2014|信州大学
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植木達人教授北海道大学助手を経て信州大学へ。豊かな海と山に抱かれて育ち、人間の生きる原点を学ぶ。若い頃からの口癖ベスト4(学生選定)①研究室は家族だ②研究は体力だ③やる時はやる飲む時は飲む④自分の哲学を持て。専門は森林施業・経営学(写真)(写真一枚or複数枚組み合わせ)3つの森林施業法の流れと林分構造(写真一枚or複数枚組み合わせ)森林と林業と調査をともにする愉快な仲間(学生)たち合⾃然的な森林施業が豊かな森を育みタフでマイルドな地域社会を創造する森林は住民の命と暮らしを守り、同時に地域経済を根底から支えています。このことは森林の造成による公益的機能の向上と木質資源の利用は表裏一体であることを示しています。本研究室では森林の造成と利用を統一する技術(森林施業法)について、森林社会学、地域経済学、歴史学を駆使し、その発展過程を解明しつつ、未来指向型の漸伐施業法、択伐施業法の確立および環境保全型森林経営の創造を目指してます。さらにこうした森林経営が地元林産業や地域産業と結合し、新産業の構築につながることを目指しています。インターナショナルな環境問題を意識しつつも、山造りや森林経営のリーダーとして、豊かな地域社会(農山村)の発展に貢献できる人材を育てている。森林・林業に係わる国家公務員や地方公務員(都道府県、市町村)、林業・林産企業、森林組合など多方面の分野で活躍している。環境保全型森林経営の確立と実践が、森林そのものを高いレベルの生物多様性へと導き、今以上に森林機能の幅を広げることつながるでしょう。同時に私たちが有効利用できる森林由来の資源の幅を広げ、新たな産業の創造に貢献するでしょう。良質な水の生産や木質エネルギーによる農林漁業振興、森林景観の保全と生物多様性による安全な農林業産物の獲得と商品開発、エコを売りにした観光産業の創造、子供たちの教育の場としての活用等々、豊かな地域社会が見えてきます。研究から広がる未来卒業後の未来像森林施業・経営学研究室森林科学科森林環境科学分野造林学研究室では、森林の持つ諸機能を適切に発揮させ、生態系サービス(=自然の恵み)を享受することを目的に、樹木の挙動や森林の動態を、立地条件との関係から長期的に調べています。森林生態系は巨大なバイオマス、複雑な空間構造、多様な生物の相互作用によって特徴付けられる生態系です。その振る舞いを科学的な観点から観測し、地球温暖化の影響や、間伐等の施業の影響を抽出することで、森林生態系のグローバルな役割を長期にわたって維持させ、より良い人間社会の構築に寄与させることを目指しています。本研究室は森林生態学の立場から、変動する地球環境のなかで、森林と人間との関わり方を考えるための研究を行っています。森林生態系を理解する研究や、森林生態系を制御する技術開発を通じて、循環型社会の創出に寄与できます。ターゲットとしている中山間地域は小さな自治体ですが、それは科学的な研究成果を政策に反映させ易いアクティビティの高いフィールドともなっています。森林生態系をモニタリングする能力、樹木の種を同定する能力、樹木の生き方を理解する能力が身に付きます。これらの科学的能力は、公務員や環境コンサルタントの分野において森林計画の策定と実行に活用されます。岡野哲郎教授九州大学農学部附属演習林(本部、北海道演習林)を経て2004年1月より信州大学農学部。広葉樹天然林の長期動態や、攪乱後の森林再生プロセスの解明と技術構築に関心がある。木質エネルギー利用にも関わっている。『⾃然の恵み』を持続的に享受する〜森林⽣態系と⼈間の営みの科学〜強風で倒された樹木の周囲は明るくなり、そこでは後継樹が発生し成長すると言われるが・・・?長期にわたるモニタリングで解明する木曽の天然ヒノキ林を再生させるための技術開発。密生するササをどう制御するか-ヒノキ実生の発生を促すための重要な技術であるササで覆われ、ヒノキはごくわずかササを制御し、ヒノキ林が再生した造林学研究室森林科学科森林環境科学分野研究から広がる未来卒業後の未来像1515

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