農学部研究紹介2014|信州大学
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動物栄養飼料学研究室研究から広がる未来卒業後の未来像本研究室では、農産および食品バイオマスを飼料原料として再利用するための技術開発を目指しています。現在は、長野県の特産物であるリンゴ、キノコおよび牛乳を一括りにした生産体系を作るために、リンゴジュース粕からキノコ培地を作り、キノコ廃培地から牛用飼料を作るための分野横断的研究を行っています。また、養鶏場からの窒素排出量を減少させ得る給餌プログラムおよび排泄物処理方法の開発を、海外の大学と共同で研究しています。私たちは、環境になるべく負荷をかけないように飼料を生産するために、農産業や食品工業から排出される廃棄物から飼料原料を作りだそうとしています。また飼料の最終形である畜糞を環境負荷の少ない方法で土壌に返すための方法を考えています。全ての研究テーマは実用化を念頭に置いていますので、企業との共同研究を積極的に展開しています。また環境低負荷は世界的な課題でもありますので、畜産由来の環境負荷物質の排出を減少させる目的で、海外の大学とも共同研究を行っています。未利用資源の飼料化や食資源循環に関する研究を通じて、飼料加工、家畜飼育、栄養素分析等に関する実践的な技術が身につき、また環境に対する意識も向上します。卒業後は牧場、食品・飼料会社等で活躍できる人材になります。神勝紀教授香川大学農学部助手を経て1992年2月より信州大学農学部。環境低負荷畜産を達成するために、未利用資源の飼料化や食資源循環に関する研究を分野横断的に行っている。資源の有効利⽤で⾷料⽣産と環境低負荷を達成する〜フードリソースリサイクリング〜リンゴジュース粕を培地原料として育ったキノコ(特許取得)とその廃培地から作成した牛用発酵飼料インドネシア・ジャンビ大学との共同研究(養鶏場からの窒素排出低減に関する研究)動物⽣体機構学研究室研究から広がる未来卒業後の未来像動物生体機構学研究室(LaboratoryofAnimalFunctionalAnatomy:LAFA)は、動物解剖組織学の研究室です。「食べる」をキーワードに、様々な染色方法を駆使し、光学顕微鏡・走査型共焦点レーザー顕微鏡や電子顕微鏡などを武器に、ミクロの世界へ探索の旅に出かけています。その旅の中で得られた一枚の写真が世界を変えるかも知れないと信じながら。生物界のフォトジャーナリスト、それが我々解剖組織学者です。主な研究テーマは次のふたつです。1.グルカゴン様ペプチド1(GLP-1)の分泌制御機構の解明2.鳥類における粘膜付随リンパ組織の機能形態消化管には無数の神経細胞と内分泌細胞が存在しています。消化管は、食物の消化・吸収を行う器官として存在するだけではなく、「第2の脳」でもあり最大の内分泌組織でもある訳です。また、粘膜付随リンパ組織(MALT)を発達させたリンパ組織でもあります。消化管における神経-内分泌-免疫系のクロストークを解明できれば、「食べる」ことにより、血糖調節や粘膜免疫などの生体機能を制御することが可能になるかも知れません。また、新たな機能性食品の開発にも繋がる可能性を含んでいます。目標を定め、その目標にたどり着くための方法を選び、そこから得られた結果を考察し、ひとつの結論を導き出す。その結論から次の目標を定める。こうした理系の思考回路を身に付けられる様に指導しています。この思考回路は、きっとどの様な分野に進んでも役に立つはずです。平松浩二教授製薬会社勤務を経て、1991年より信州大学農学部勤務。神経系、内分泌系及び免疫系のクロストークについて、解剖組織学的手法を駆使して研究。愛犬の頭を撫でながら「この子の脳は・・・」と考えてしまう。⼀枚の写真が世界を変える!?⽣物界のフォトジャーナリスト、それが解剖組織学者!!(写真一枚or複数枚組み合わせ)ニワトリ小腸における基底顆粒細胞の透過型電子顕微鏡像(写真一枚or複数枚組み合わせ)ニワトリ回腸の基底顆粒細胞におけるGLP-1(緑色蛍光)とニューロテンシン(赤色蛍光)の共存(黄色蛍光)⾷料⽣産科学科動物⽣産学分野⾷料⽣産科学科動物⽣産学分野1212

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