信州大学理工学系研究科
13/38

DEPARTMENTOFMATERIALSCIENCES物質基礎科学専攻(物理科学)過去から未来、極大から極小、広汎な時空と物質の謎の究明本専攻ではビッグバンに始まる宇宙の成り立ち、私たちを形作る物質の基礎特性、素粒子など、様々な時間・空間のスケールでこの世界のすがたを理論的、実験的に解明することを目指しています。小竹 悟 | 教授素粒子論、数理物理可解模型、無限次元対称性、弦理論。最近は1自由度可解量子力学系樋口 雅彦 | 教授物性理論第一原理的手法を用いた超伝導、磁性、電子相関、光学応答などの理論的研究宮丸 文章 | 准教授光物性物理学テラヘルツ領域における新奇光機能デバイスの研究・開発川村 嘉春 | 教授素粒子物理学素粒子の標準模型を超える未知の物理法則の探求天児 寧 | 教授磁性物理学(実験)希土類元素を含む金属間化合物、強磁性形状記憶材料など新機能材料の基礎研究安達 弘通 | 准教授物性物理磁性体一般、およびX線と磁性体の相互作用に関する研究中島 美帆 | 准教授物性物理学(実験)希土類・アクチノイド化合物における磁性と超伝導奥山 和美 | 准教授素粒子論超弦理論、M理論、超対称ゲージ理論志水 久 | 准教授物性理論、計算物理計算機シミュレーションによる相転移の研究、固体の電子状態計算竹下 徹 | 教授素粒子物理学実験加速器を用いた素粒子の探索と相互作用の実験研究とそのための装置の開発研究加藤 千尋 | 准教授宇宙線の加速伝播に関する物理学宇宙線がエネルギーを得るメカニズムとプラズマ諸現象の関係についての研究三澤 透 | 准教授観測天文学吸収線を用いた、クェーサー・銀河間物質・星間物質の諸性質の研究長谷川 庸司 | 准教授素粒子物理学実験粒子加速器を用いた素粒子物理学の実験的研究と放射線検出器の開発研究宗像 一起| 教授宇宙線物理学宇宙線観測による宇宙天気研究、宇宙線強度の異方性の研究武田 三男 | 教授物性物理学(光物性・強誘電体)メタマテリアル等人工構造物質と電磁波との相互制御の研究教員紹介東芝/JFEエンジニアリング/富士通システムズ・イースト/日立システムズ/八十二銀行/イビデン/ルビコン/日本電気/曙ブレーキ工業/東京エレクトロン/コシナ/ホーチキ/みずほ情報総研/NTTデータ/日本電産/デンソー/フジクラ/豊田自動織機/高校教員(静岡県)/京都府教育委員会/国立大学法人群馬大学/陸上自衛隊/群馬県/国立大学法人信州大学主な就職先森田 博紀Hiroki Morita2013年度入学/武田・宮丸研大学院に入学してからは一日の大部分を研究室で過ごし、今まで学んできた知識や思考を活かして新規性溢れる研究に取り組んでいます。多くの問題を解決し、成果を上げていくことは研究の醍醐味です。修士課程修了後、さらに博士課程に進学しても、企業へ就職しても大学院で得たものは決して無駄にはなりません。ぜひ、大学院へ来てサイエンスの本質を学んでください。多彩な磁性現象のなぞを解き明かす世界4カ国に設置された宇宙線計による宇宙天気研究と、空気シャワーアレイを用いた、チベット高原での高エネルギー宇宙線観測(東京大学宇宙線研究所との共同研究)を推進しています。宇宙線観測による「宇宙天気予報」の可能性の発見や、世界最高精度での宇宙線異方性の観測、最近では宇宙線で見た「太陽の影」の観測に成功しています。宇宙線観測で観た宇宙物質を形作っている最小の構成単位(素粒子)とそれらの間に働く力(相互作用)を解明して物質の究極の姿を明らかにする、また、時間・空間の性質を明らかにする、という学問が素粒子物理学です。極微の世界から自然界そのものである宇宙まで、ありとあらゆるものが粒子と時空から成り立っているので、自然界の根幹をなす基本法則を解明することになります。量子論・相対論・場の理論を基礎として、様々な手法・アイディアを取り入れることにより、標準模型、 大統一理論、 超対称性を持つ模型、 余剰次元を利用した模型、 初期宇宙論、 量子重力、 超弦理論、 M理論、 超対称ゲージ理論、 可解模型、 可解量子力学系などの理論的研究が行われています。自然界の基本法則の探求自然界に存在する物質では実現できなかった奇異な光学応答を示す物質を人工的に創ることができます。その物質はメタマテリアルと呼ばれ、光の波長(~数百ナノメート今までにない光機能の実現へMASTER’S PROGRAM OF SCIENCE AND TECHNOLOGY 14 DEPARTMENTS012ル)よりも小さい、微細構造体によって作られます。このメタマテリアルによって、例えば、透明マントや超収束光デバイス、超薄膜レンズなどこれまでの技術では実現できなかった光機能素子の実現を目指しています。希土類金属や遷移金属を組み合わせた化合物は、磁石の性質である強磁性だけでなく多様な物性現象を示します。これらの化合物の磁性の起源を、磁化・核磁気共鳴・メスバウアー効果・電気抵抗・高圧印可などの測定手法を駆使して、明らかにしていきます。磁性を理解することは、強力磁石や磁気記録、磁気冷凍材料など有用な磁性材料を設計する上で大きなヒントとなります。さらに近年では、磁性現象とは共存しないと考えられてきた超伝導の発現機構に、磁性が重要な役割を担っていることが分かってきました。磁性と超伝導のかかわりを調べることは超伝導発生のメカニズムを解明する上でも重要な研究であるといえます。

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です