繊維学部_感性工学課程
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韓国、中国をはじめ、さまざまな国の技術レベルが向上し、従来日本製の競争力の源泉であった品質における差別化が難しくなっている中、TOTOが世界展開商品の要として送り出し、高い評価を受けているのが空気を混ぜて量感を高めた「エアイン」シャワーである。そして、その開発グループで活躍したのが信州大学繊維学部感性工学課程で感性評価を学んだ卒業生であった。TOTOの「感性を基盤にした新シャワー開発プロジェクト」のメインテーマは『シャワーの浴び心地』という人間の“感性”を評価すること。人間の“感性”というとらえどころのないものをどのように明確化していくかこそが重要なポイントであった。そこで、感性工学課程卒業生はヒトの感性をもとにシャワーの評価軸の設定に取りかかる。具体的には、「浴び心地」から、「なめらかな。集中的な。温かい。貧弱な。量感がある。拡散的な。柔らかな。」などの感性的な評価の言葉を抽出するとともに、そこから、「量感」、「包まれ感」、「刺激感」、「なめらかさ」の4つを評価軸に設定。さらに、分析を行い、「浴び心地」に寄与する要素を「量感」だと突き止め、空気を混ぜ、量感を高めた「エアイン」シャワーの開発に至った。ヒトの感性に訴えかけるという新しい価値戦略で世界でコスト・品質を越えた確かな差別化を図っているTOTO。信州大学繊維学部感性工学課程の“感性価値創造”についての教育研究がその一助になった。世界市場で確かな差別化を実現。▼ ヒトの感性を基に浴び心地の評価軸を設定エアインシャワー従来のシャワー▲ヒトの感性をもとに吐水の量感を高めるために開発されたエアインシャワーと従来のシャワーの比較TOTO株式会社「シャワー開発」http://www.toto.co.jp/次の発展に向けた事例1[様々な感性的な評価を抽出][4つの評価軸を設定]貧弱な圧迫感のある量感がある量感包まれ感なめらかさ刺激感拡散的な柔らかい...なめらかな集中的な温かい雑さ評価の高いシャワー評価の低いシャワー量感包まれ感なめらかさ刺激感浴び心地09

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