繊維学部_感性工学課程
17/28

コンピュータは非効率という新・発想。これからの時代において、大切な生産性とは何か?そのような問いに一つの答えを提示しているのが、信州大学繊維学部感性工学課程との交流も深い新潟県三条の測定機器メーカー、「いすゞ製作所」である。人の“感性”を切り口に多様な環境整備に取り組んでおり、その一つが、コンピュータの撤廃だ。同社もかつては生産や営業の効率化を図るため、社内に、LANによる一大生産管理システムを作っていた。しかし、現在、同社では営業と経理だけがパソコンでネットワークを構築。それ以外では、必要に応じて各社員がノートパソコンを開くだけであり、生産と営業の間を取り持つのはホワイトボードとなっている。「手作業は非効率と思われるかもしれませんが、そんなことはありません。人がやることがいかに大事かということです。コンピュータは、計算などを正確にすることはできますが、創造はしません。これからの時代に大切なのは創造していく力。そこでは、コンピュータはむしろ非効率なのです」と副社長は語る。また、同社は、製品に関わった社員自らが、「けんじ」、「エリザベス」などといった個別の名前を製品につけることも推奨している。「自分の子どものように製品作りをすることが大切だと考えています。魂は人の手から入るもの。私自身、自分の創った『けんじ』が、もう12年目になりますが、現在でも静岡で活躍しています。サービスマンから『元気でやっている』と聞くと、うれしくて。商品作りでもなく、私たちは作品づくり、子どもづくりのつもりでやっています」とも副社長は語る。大量に生産するための効率化、合理化を越えてこれから重要なことについて、“感性”という観点から、「いすゞ製作所」は信州大学繊維学部感性工学課程とともに、一つひとつ取り組みを進めている。▲パソコンをなくした社内風景▲自ら創出した機械を我が子のように▲心を込めて生み出していく株式会社いすゞ製作所「会社の環境づくり」http://www.isuzuseisakusho.co.jp/次の発展に向けた事例717

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です