2013繊維学部研究紹介
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小山研究室薄くて軽いウェアラブルな燃料電池。ロボットやパワースーツの電源に!小山研究室では、液体で供給したメタノールを気体として透過させる気化調整膜やメタノールを透過させずに水素イオンを速やかに伝導する電解質膜などの機能性高分子膜の研究と,ナノファイバーの技術を応用したカーボンナノウェブ「CNW」の開発と応用に取り組んでいます。CNWは直径150nmという非常に細い炭素繊維の不織布で、物質拡散性を有するナノ集電層として大変有用な働きをします。これらを組み合わせることで、薄型・軽量でフレキシブルな小型燃料電池が実現可能です。ウェアラブル電源など様々な活用法が期待できます。小山研究室では、小型燃料電池の薄型・軽量化を可能にする材料の開発に取り組んでいます。燃料電池がウェアラブルになれば様々な利用形態が可能です。例えばロボットやパワースーツの電源です。曲面にフィットできるフレキシブル性を活かし、外装を兼ねた電源とすることも可能です。また、バッテリーのように充電のための時間を必要とせず、燃料を充填すればいつでもどこでも再起動できます。工事現場、山林での作業、介護用へと期待は広がります。卒業生の多くは大学院修士課程に進学しています。そして,主な就職先は、化学材料や有機電子材料、電子デバイス関連の企業です。真摯に研究に取り組む姿勢はきちんと評価され、そして将来の自分に力を与えてくれるでしょう。小山俊樹准教授信州大学繊維学部で助手・講師を務めた後、1998年より現職。生体での電子やイオンの働きをヒントに、機能高分子材料やデバイスの開発に係わる物理化学が研究分野。機能高分子学課程化学・材料系研究から広がる未来卒業後の未来像独自に開発した直径150nmの極細炭素繊維不織布「CNW」電極6セルを直列に一体成形した厚さ約4mmのフレキシブル燃料電池研究室で開発した材料を組み込んだ燃料電池は、その発電特性を評価装置でチェック。その結果を基に、さらなる改良を重ねます鈴木研究室世の中のあらゆる液体をゲル化!?超分子ゲルの幅広い応用を模索!鈴木研究室では、油・有機溶媒・水溶液といった液体をゲル化するような低分子ゲル化剤の開発とその応用研究を行っています。低分子ゲル化剤は、油処理剤をはじめ化粧品、医療・医薬、食品、文房具、塗料・インキ、電子デバイス、液晶等多くの分野でニーズが高い材料です。L-アミノ酸を基盤としているため、生分解性・生体適合性などの特性を持ち環境にやさしい材料です。このような超分子化学をもとにした材料の設計・開発・応用研究は、非共有結合を利用した材料特性や物理化学的性質の制御という点で期待されている研究分野です。低分子ゲル化剤は、超分子ゲル中でナノファイバーを形成するため、多くの応用研究がなされています。例えば、色素増感太陽電池のゲル電解質としての利用、無機酸化物の鋳型重合による酸化チタンナノファイバーネットワークの創製あるいは細胞培養基材としての評価等の応用研究がなされています。今後、高分子と同じように我々の生活の中に低分子ゲル化剤が浸透していくことが期待されています。主に、化学メーカーなどへ就職します。鈴木研究室では有機合成のテクニックの習得や種々の測定機器の使用によって、化学研究者としてのスキルを身に着けられるので、幅広い分野で卒業生が活躍しています。鈴木正浩准教授信州大学大学院総合工学系研究科助手を経て、2007年から現職。主な研究テーマは、低分子ゲル化剤の開発と応用研究、機能高分子材料の開発、人工光合成系の構築等。L-アミノ酸系低分子ゲル化剤によって形成された有機溶媒の超分子ゲル。逆さまにしても落ちてこないほどしっかりとゲル化している低分子ゲル化剤が超分子ゲル中で形成するナノ構造、色素増感太陽電池のゲル電解質、TiO2の鋳型作製、細胞培養基材への応用機能高分子学課程化学・材料系研究から広がる未来卒業後の未来像トルエンニトロベンゼンエタノールSiオイルアセトン有機溶媒の超分⼦ゲル超分⼦ゲルTiO2ナノファイバー⾊素増感太陽電池繊維芽細胞の培養ゲル化剤のナノ構造

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