2013繊維学部研究紹介
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小泉研究室大はボイラー・タービン・原子力から小はマイクロチップまでの伝熱・流動に関する研究人類は熱が動力・エネルギーに転換されることに気づき、その転換技術を手にすることにより、文明の大いなる発展を成し遂げてきました。現代文明は安定なエネルギーの供給無しには成り立ちません。伝熱工学はこの動力・エネルギーの発生と供給、そしてその利用を支えている学問分野の一つです。当研究室では、火力・原子力発電システム、産業用エネルギーシステム、エアコンなどの冷凍・空調システム、製鉄プロセスさらにはアイスクリームスプーン、マイクロマシンマイクロ流路などに含まれる伝熱現象の把握と解明を中心に研究を進めています。工業装置、機械装置、日常の身の回りの生活装置、これらどれをとっても稼働すると必ず熱の問題が生じます。この熱の問題へ対応するのが我ら伝熱工学の分野の人間の役割。文明を維持するには必ずエネルギーを必要とします。我々が使用するエネルギーを得るには必ず熱の排出を伴います。いかに効率良くエネルギーを作り出すか、これ人類の根源的課題です。この課題解決へ立ち向かうのが我らの領域の者どもです。工学的に熱の課題はいたる所にあります。発電や、プラント、空調設備、製鉄など明らかに熱が見える分野に限らず、例えばPC業界。ICチップの冷却効率が上がると計算速度が上がる。半導体工場、描画時の熱管理が製品精度を上げる。小泉安郎教授1977年3月東京大学大学院工学系研究科博士課程修了1977-1989日本原子力研究所1989-2008工学院大学2008-信州大学熱工学、伝熱工学、相変化を伴う伝熱、沸騰、凝縮、二相流、マクロ熱流動、ボイラー、タービン、原子力安全性。紅茶を入れようとお湯を沸かしているところです。泡立っています。これを沸騰と言い、底から沸騰気泡が出ています。何が起きているのでしょう?底から気泡が出ているところを人為的に作ります。直径10μm、深さ40μmの穴です。その穴から沸騰気泡が出てくる状況を写真に撮ったものです。おもしろいでしょう!機能機械学課程機械・ロボット学系研究から広がる未来卒業後の未来像小西研究室さよならガソリン!次のハイブリッドカーは「太陽電池+燃料電池」の組み合わせにエコカーの代表格として人気のハイブリッドカー。現在はガソリンを動力源とした内燃機関とモータのハイブリッドが主流ですが、化石燃料がいつの日か枯渇するのは確実で、新たなシステムの開発が急務です。こうした中、小西研究室で行っているのが、化石燃料を全く使用しない太陽電池と燃料電池によるハイブリッドシステムの開発です。研究室のメンバーが中心となって国内のソーラーカーレースにも参戦し、好成績を収めています。このシステムが実用化されれば、化石燃料の消費が抑えられ、地球環境が今まで以上にクリーンになるのです。自動車に乗せる動力源として新エネルギーを研究する場合、よりコンパクトに、より高効率にすることが求められます。太陽エネルギーや水素エネルギーの分野では、高効率化は非常に重要で、研究室での成果が自動車以外の分野へ転用されることも大いに考えられます。例えば家庭における自家発電などはすでに商品化されています。研究開発が進めば、より効率よくエネルギーを生み出すことができます。ソーラーカーレースには、車体作りの段階から開発を行い参加しています。経験を生かして自動車業界に進む学生がたくさんいます。エネルギー関連分野は注目を集めており、卒業後の進路はどんどん広がっています。小西哉教授北海道大学応用電気研究所助手、北海道立工業技術センター研究員を経て1989年より信州大学繊維学部に。主な研究分野は超伝導、マイクロマシン、新エネルギー等の電子工学。機能機械学課程機械・ロボット学系研究から広がる未来卒業後の未来像サイズW7.5cm×H4.35cm配置位置横11cm、縦2.5cm学生が設計・製作しているソーラーカー。レースで優勝経験もある。この技術を学んだ多くの卒業生が社会で活躍している学生も燃料電池開発に積極的に参加。専門知識を深めているサイズW3.6cm×H4.35cm配置位置横11cm、縦22.2cmバイオマスで燃料電池を動かすエコロジカルな研究も進行中サイズW3.6cm×H4.35cm配置位置横14.9cm、縦22.2cm

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