2013繊維学部研究紹介
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高寺研究室感性に科学的なアプローチあなたの好みの衣服には理由がある私たちはなぜその製品が好きなのか?その理由は人の感性にもとづいています。感性に科学的なアプローチをすることによって、人が「なぜ」その製品を良いと思うのか、もしくは悪いと思うのかを明確にできます。人が「良い」と共感してくれる理由となる価値を生み出すことが感性工学です。高寺研究室では、生活に最も身近な衣服を中心に「人の心を動かす価値」の解明を行っています。製品に対する評価を決定する要因を探ったり、新しい評価装置を作ることで今までできなかった価値の評価方法を開発したりしています。製品の良し悪しを判断する人の感性を科学することによって、新製品や新規ビジネスのもととなり、きっかけとなる研究をしています。人が製品に対してなぜ良いと思うのか、何に価値を感じているのか、今までの評価方法では発見できなかったことを見つければ、それは新しい価値となり人が関わるものすべてに新たな付加価値を与えることができます。今後、研究とシステムが進めば、私たちのモノの買い方、消費の仕方は大きく変わるかもしれません。研究室で開発中の自動立体裁断システムは、より手軽で安価にオーダーメイドの衣服を作製できるものですが、未来にはこのような個人対応のシステムが普及していくでしょう。テキスタイルやアパレルの専門知識を活かしてメーカーの商品企画や開発担当の技術者、教育機関、製品試験機関、研究所等のほか、感性工学の専門家として情報メディア、家電、住宅機器。文房具メーカー等で活躍しています。公務員になった人もいます。高寺政行教授信州大学繊維学部助手、講師、助教授を経て、2006年より現職。主な研究分野はテキスタイル、アパレルの設計・評価とファッションにおける感性工学の応用。3次元計測装置を用いた自動立体裁断で作製した上衣と計測した3次元画像。体型に沿って服の形がつくられているのが分かる写真サイズ高さ4.35cm×幅7.5cm配置位置横11.4cm、縦2.85cm感性工学課程繊維・感性工学系研究から広がる未来卒業後の未来像ジャケットの芯地の違いによる見た目の評価写真サイズ高さ4.35cm×幅3.6cm配置位置横15.3cm、縦2.85cm防刃服を、機能性だけでなく着心地から見直す写真サイズ高さ4.35cm×幅3.6cm配置位置横15.3cm、縦2.85cm上條研究室心と体の快適/ストレス状態を計測する。感性をはかって、感性価値あるモノを創る!感性を人と人、ヒトとモノとの関係を互いに理解し合うコミュニケーションツールとして考えるとたくさんのコミュニケーション方法があれば、人と人とはより深く理解し合えます。さらに、“着心地”、“座り心地”、“触り心地”、“使い心地”、“寝心地”、“乗り心地”、“見易さ”などの製品との関係も詳しく分かります。脳、心臓、筋肉などの生理反応は体から得られる情報。生理反応から、体の健康や快適/ストレス状態を伝える言葉が作れるはず。人が発する情報を計測して、心地を伝える新しい尺度をつくる研究は、あらゆる産業から注目されています。『考える被服:インテリジェントClothing(IC)』の開発が将来の目標です。ICは着装者の健康データを24時間測り、快適/ストレス状態を見える化します。さらに、暑いときには体を冷やし、寒いときには保温するなど、人が健康で快適に過ごせるように生活を支援してくれるツールです。ICによって、人の快適/ストレスがいつも計測でき、着心地、乗り心地、座り心地、寝心地などの心地を見える化できます。生理反応や心理反応を測定して製品を評価できる感性計測は、自動車、化粧品、寝具、住居、家電、文房具、情報などあらゆる産業で注文されています。様々な産業の研究開発、企画開発の技術者として卒業生は活躍しています。上條正義教授信州大学大学院を修了後、諏訪東京理科大学助手、信州大学繊維学部助手、助教授、信州大学大学院助教授、准教授を経て、現職に至る。専門分野は、感性工学、特に感性に係わる計測(感性計測)を主に研究している。「いい笑顔」「眠そうな顔」「疲れている?」表情から人の状態を推測できます。表情を感性を測る指標とするための研究感性工学課程繊維・感性工学系研究から広がる未来卒業後の未来像自動車の運転のしやすさを筋や心臓などの生理活動を計測することによって評価する研究

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