2013繊維学部研究紹介
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木村研究室インテリア繊維製品のすばらしさを世界に発信!!木村研究室では、壁紙、カーテン、カーペットなどインテリア繊維製品の機能性や安全性、快適性に関する研究に取り組んでいます。さらにそれらの特性を正しく判断するための試験方法や評価方法についての研究を進めています。これまでに新しい試験方法を国際標準化機構(ISO)に提案するなどの活動を行ってきました。また、インテリア繊維製品の室内省エネ効果を実証したり、室内に舞う塵埃(ハウスダスト)が床材の種類によってどのように変化するのかなどについて実験的に検討しています。さらに、繊維製品の静電気帯電防止に関する研究などにも取り組んでいます。安全で快適な居住空間、生活環境の創造は誰しもが願うところです。木村研究室では、より安全で快適なインテリア繊維製品の提案とインテリア繊維製品の機能性を探求してゆきます。例えば、わが国の少子高齢化は今後益々進んでゆきますが、高齢者にとって歩きやすい床材、優しい床材の研究開発に取り組み、安全で快適な住環境の創製につなげるとともに研究成果を世界に発信したいと考えています。木村研究室は今年誕生したばかりの若い研究室です。在学生は自らの専門である繊維工学に関する知識や実力を活かした進路を考えており、繊維メーカーなどにおける研究開発、品質管理、マネジメント分野への進出をめざしています。木村裕和教授大阪府立産業技術総合研究所から2013年に信州大学繊維学部教授に就任。主な研究分野はインテリア製品の機能性・安全性・快適性評価、繊維・高分子物質の静電気帯電性、繊維製床敷物の工業標準化。インテリア繊維製品による室内省エネ効果の実験結果の紹介(2012JAPANTEXインテリファブリックス性能評価協議会)先進繊維工学課程繊維・感性工学系研究から広がる未来卒業後の未来像開発,製品化した人体静電気帯電防止シート石澤研究室体の状態から品質検査まで。触れずに「計る」、光の不思議未来の医療では、採血せずに血糖値を計ることが可能!?それを実現させるのが、石澤研究室で行っている光学的非侵襲血液検査システムの開発。赤外線を体に照射することで皮膚組織中の分子を振動させ、そこから得られる赤外吸収スペクトルから血糖値を計るという技術です。これにより患者さんが自宅で定期的に測定することも可能になり、測定値データを病院へ送付することもできます。もちろん医療分野以外での応用も可能。輸入製品に有害な物質が含まれていないかを検査する際でも、抜き取り検査ではなく全製品の品質検査ができるなど、さまざまな活用法が考えられます。石澤研究室では、光学的血液検査の開発以外にもさまざまな研究を行っています。鉄素材を扱う工場などで必要とされる鉄の表面の粗さの数値化や、薬品を使わないとできなかった衣類の混用率の測定も「光」で瞬時に行うことができます。技術としてはある程度確立されているので、今後は計測の精度を高めていくことが一番の課題。研究室では、学生たちがこれらの実験・研究に日々参加しています。計測器や医療機器、精密機器を扱う企業の他、家電メーカー等にも卒業生を輩出。先生は「より良い研究開発のために社会のニーズを知ることも必要。研究以外の仕事にも挑戦するように」と、日頃から学生たちに指導しているそうです。石澤広明准教授株式会社島津製作所、社団法人長野県農村工業研究所等を経て、2002年より現職。研究分野は計測工学や応用光学。先進繊維工学課程繊維・感性工学系研究から広がる未来卒業後の未来像光ファイバーを使えば、普段のコンディションを容易にデータ化できる。それをITで医者と共有すれば、超高齢化社会に大いに役立つ肌に触れていることさえ忘れてしまうほど極細の光ファイバーでバイタルサインを計る。採血のように痛みを伴うことなど全くない

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