2013繊維学部研究紹介
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大越研究室レーザー光線を使って高性能・高機能な合成繊維を作る大越研究室では、主に炭酸ガスレーザー光の照射による繊維の加熱を利用して、高性能・高機能な合成繊維を作り出すことを目指して、研究を進めています。合成繊維を製造する際、レーザー光を利用することで、生産の高速化、省資源・省エネルギー化に加え、直径が髪の毛の1/2000の繊維や直径や内部構造を精密に制御した繊維など、これまでは作れなかった高性能・高機能の繊維が作れることがわかってきました。これらの繊維は、医療、光学部材などへの応用が期待されます。より高機能・高性能の繊維を作り、その用途を広げるため、日々研究・開発に励んでいます。繊維は、もともと鋼鉄よりもはるかに強くて軽く、しかもしなやかに曲がり、表面積も大きい、高機能な材料です。最近ではより高性能・高機能な合成繊維が数多く開発され、航空機・自動車の機体や車体、人工臓器、光学機器、スポーツ用途等に使われ、軽量化や高性能化によって地球環境負荷の低減や人間生活の快適化に役立っています。特に日本の合成繊維企業は、多くの高性能繊維で世界をリードしています。卒業後の進路は、就職先として合成繊維企業をはじめとする素材メーカーを選択する学生が最も多いですが、繊維を使う側のタイヤメーカーや電機メーカー、評価する側の地方公設試に勤めた卒業生もいます。大越豊教授信州大学繊維学部助手を経て、2006年より現職。研究分野は繊維・フィルムなど高分子材料の成形加工、および得られた繊維などの光学物性や力学物性などの雑学。先進繊維工学課程繊維・感性工学系研究から広がる未来卒業後の未来像写真サイズ高さ9.8cm×幅7.5cm配置位置横11.4cm、縦2.85cmカイコ・繭(マユ)・シルクのサイエンス!ファションアパレル&テキスタイルデザイン森川研究室では、管理工学,システム工学,多変量解析,繊維加工技術などを基軸として、蚕・繭・生糸・絹織物・ファッション・マーケットリサーチなど、シルクサイエンスにかかわる幅広い分野を対象とした研究を進めています。カイコの吐糸営繭行動(絹繊維を吐いて繭を作る行動)を数学的に取り扱う方法(モデル化)、絹形成過程の解析、シルク材料への機能性付与、シルクナノファイバーの創製、シルクアパレルを中心としたファッション産業の経営工学的解析などの研究を進めています。高級(ラグジュアリー)ブランドなどのファッションアパレルの画像解析、システム工学的解析やテキスタイルデザインに関する研究も行っています。カイコの作り出すシルクはハイファッション分野の重要な繊維材料ですが、一方で生物の機能・行動に学ぶバイオミメティクスの分野や、シルクタンパクのメディカル材料等への応用が期待されており、先端的な技術と融合して新たなシルクサイエンスの構築が進んでいます。テキスタイルは一本の繊維が階層的に構造化されることで様々な機能と審美性が生まれる魅力的でユニークな材料科学です。卒業後は、ファッション・アパレル、繊維業界で製品開発などを手掛けるエンジニアとして活躍する人材となれるでしょう。森川英明教授信州大学大学院を修了後、花王、新潟県立短期大学、信州大学繊維学部助教授、准教授を経て現在に至る。専門分野は、繊維工学、管理工学、統計学。ファッションアパレルの画像解析先進繊維工学課程繊維・感性工学系カイコ・繭・シルクのサイエンス森川研究室研究から広がる未来卒業後の未来像

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