2012環境報告書
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■ ドクターヘリ運航開始 医学部附属病院は、平成23年10月1日からドクターヘリの運航を開始しました。厚生連佐久総合病院に次いで、長野県では2機目の運航開始になります。今回から信州大学のドクターヘリは“信州ドクターヘリ松本”、佐久総合病院のドクターヘリは“信州ドクターヘリ佐久”と呼ぶことになりました。 ドクターヘリは、空飛ぶ救急外来です。救急科の医師、看護師と医薬品、医療機器をのせて救急現場に運び、そこで治療を開始することが目的です。ヘリコプターは長距離搬送にも有効ですが、搬送が第一の目的ではありません。いわば、救急外来が空から現場に出張するわけです。 機体はユーロコプター社製EC135。時速約250㎞で飛行し大町や諏訪ならば約10分で、県境までは約30分で到着できます。この性能を生かし現場で素早く治療を開始、従来手遅れになっていた命を救うことが可能になります。 運航は年中無休、祝祭日も含めて午前8時30分から午後5時00分(もしくは日没)までです。ただし、夜間や悪天候では対応できません。救命目的の事業ですので安全管理を第一に心がけております。 患者負担分の費用は往診料と治療費になります。公的な事業なので運航費用は国と長野県が負担いたします。 最後に、ヘリは騒音や着陸地点での風などでご迷惑をおかけすることがありますが、上記の趣旨の公益事業ですので、よろしく御理解とご協力をお願い申し上げます。ドクターヘリは空飛ぶ救急外来です■ 里山の豊かな生物多様性「ますみヶ丘平地林」を守る 伊那市にある「ますみケ丘平地林」は、市民の森として整備が進んで多様な生物相が回復して来つつあります。農学部附属アルプス圏フィールド科学教育研究センターの昆虫生態学研究室(中村寛志教授)では、林内に生息している絶滅危惧Ⅱ類のミヤマシジミや、準絶滅危惧種のヒメシジミ、ヒョウモンチョウ、オオムラサキ、ベニモンマダラなどの希少昆虫類の生態調査を実施しました。 また市民が自ら動植物を採集して、名前や生態を図鑑で調べることで、ますみケ丘平地林内の生物多様性を知ってもらい、未来を担う子供たちへの環境教育の場とするため、2011年に市民参加型の親子観察会を3回実施しました。6月26日には、長野県指定希少野生動植物であるササユリの花を、また7月17日にはオオムラサキやミヤマシジミを観察しました。2012年2月の末には、伊那市役所ロビーにおいてますみヶ丘での調査した昆虫の写真と標本の展示を行いました。市民参加型の親子観察会の様子(市役所ロビーに展示したパネルから)45■ 環境美化活動を通しての地元町会との交流 本学のこまくさ寮では、平成23年も夏と秋の2回、地元蟻ケ崎北町会の草刈り等の清掃活動にボランティア部局が中心となり参加し、交流を図りました。初夏には、寮内の木々にアメリカシロヒトリが大発生し、近隣からの要請もあり高枝バサミ等により大汗を掻きながら駆除しました。また、こまくさ寮祭での仮装行列では、環境美化の一助にと、市内に繰り出した際に歩道周辺に落ちているゴミを拾いながら練り歩く取組みを行いました。

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