agriculture2012
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大学院総合工学系研究科■博士課程山岳地域環境科学専攻(地域環境共生学講座)Interdisciplinary Graduate School18 森林科学科教員とAFC教員よりなる博士課程山岳地域環境科学専攻の「地域環境共生学講座」があります。この講座においては、山岳環境評価学、山岳資源利用学、流域防災学、田園環境整備学等の教育研究分野において、地域に密着し、グローバルに発信する研究をはじめ、国際的枠組みの研究に至るまでの活発な教育・研究が行われています。生物・食料科学専攻農学部で総合工学系?フィールド調査とラボラトリー実験を行い絶滅危惧種のチョウを回復 生物・食料科学専攻の「生物・生命科学講座」、「食資源生産学講座」、「食品科学講座」および「食品創製学講座(連携講座)」においては、環境保全に立脚した持続的食料生産の発展を目指し、バイオサイエンスを基盤とした革新的な食料生産技術体系を確立するための理論の構築と技術の発展を目的とした教育・研究を行います。さらに生命科学を基盤として、食と健康の関わりについて教育・研究を展開し、「食」に関する的確な総合科学的思考力や創造性を身につけた高度専門職業人や技術者、研究者の養成を目的としています。総合工学系研究科博士課程在籍の江田慧子さんは、里山に生息する絶滅危惧シジミチョウ類の保全・保護に関する生態学的研究を行っています。オオルリシジミは日本で長野と九州の阿蘇にしか生息しない貴重なチョウです。江田さんは、長野県安曇野でオオルリシジミ回復事業がうまくいかなかったのは、あるハチが卵に寄生するためで、昔から里山で行われてきた野焼きがその対策として有効なことを証明しました。さらに、謎であったオオルリシジミの2化成虫が出現する要因を、室内飼育実験で温度・日長条件と感受期から解明し、人工飼育上の問題を解決しました。これらの研究が学術的に高く評価され、2011年に学生初となる日本環境動物昆虫学会奨励賞を受賞したことと、子供向けの絵本を出版したことが信州大学の名誉の向上に著しく貢献したと評価され、信州大学学長賞を授与されました。 本研究科は信州大学の農学部、工学部、繊維学部および理学部を有機的に結びつけ、農学研究分野に理学、工学および繊維学分野を総合することにより、先進的な科学技術の総合的な研究とそれに従事できる博士研究者の育成を目的として平成17年度に開設されました。 先進科学技術の総合的研究、その基盤となる自然科学の基礎研究、および地域の活性化に資する地域連携研究を推進する専門性と総合性を兼ね備える「生命機能・ファイバー工学専攻」、「システム開発工学専攻」、「物質創製科学専攻」、「山岳地域環境科学専攻」、および「生物・食料科学専攻」で構成されています。農学部キャンパスでは以下の教育・研究を担当し、修了者には博士(農学)あるいは博士(学術)を授与します。●会社に勤めながらでも在学することができます。●修士の学位を持っていなくても、資格審査で資格が認定されれば受験することができます。●4月入学と10月入学があります。●特に優れた研究業績をあげると1年以上の在学で博士の学位を取得することができます。Interdisciplinary Graduate School博士課程とは…オオルリシジミ出版した絵本を手にする江田慧子さん

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