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理科学分野

概要

物理学、化学、生物学、地球学、物質循環学等の基礎科学をふまえて多様な分野の教育研究を行なっています。高度な専門知識と研究手法を身につけるため、主に講義と特別研究からなるカリキュラムにより教育を行います。学位論文のテーマに関する特別研究は、指導教員による綿密な指導・討論のもとで進められ、観察、実験、シミュレーション、理論、考察、プレゼンテーション、論文作成等の実践的研究手法を身につけることができます。これらを通して、さまざまな課題に対処できる、高度専門職業人としての見識と課題解決能力を獲得することができます。さらに、専門知識に基づいた論理的、批判的思考によって物事の本質を理解し、また説明する能力を身につけることができます。


主な研究テーマ



物理学ユニット


過去から未来、極大から極小、広汎な時空と物質の謎を理論的、実験的に解き明かすことを目指しています。


素粒子理論分野


物理学は自然現象を扱うあらゆる科学の基礎となるものですが,素粒子物理学はその中でも最も小さな物(基礎的な物)を扱うので,自然科学の根幹をなしていると言えます。素粒子物理学の研究対象は極微の世界なのですが,その研究成果は,例えば初期宇宙の理論に取り入れられ,現在の宇宙がどうなっているかという予言に大きな影響を与えています。極微の世界の研究が極大の世界の研究につながっているのです。
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宇宙線物理学分野


当研究室では,宇宙線の観測を通して太陽地球間,太陽圏スケールの空間における物理を研究しています。
宇宙線は宇宙空間に存在する高エネルギーの荷電粒子(主に陽子)で,地球へは銀河磁場の影響によってほぼ等方的に飛来するのですが,その到来方向にはほんの僅かに異方性(等方的でないこと)が観測されます。
このような異方性を長期間にわたって観測することで太陽圏スケールの磁場構造やその変動を調べることができます。
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高エネルギー物理学分野


素粒子物理学(高エネルギー物理学)は自然のもっとも根元的な姿を追い求めています。現在,その研究は粒子加速器という謂わば「顕微鏡」により,原子の1億分の1程度の小ささまで「見る」ことができます。より小さな世界を見るため,粒子加速器には,粒子を加速し衝突させ,より高いエネルギー状態を作り出すことが求められています。この高エネルギー状態は小さな「ビッグバン」を再現しています。小さな世界を見ることは,ビッグバンに始まる宇宙の成り立ちを解明することにつながります。宇宙を創る実験,それが粒子加速器です。
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物性理論分野


私たちの身の回りにある物は多数の原子が集まってできています。原子1つを見てもその中には陽子や電子,中性子といったものがたくさん集まってできていますが、そこまで(それよりもっと)細かく考えるのが素粒子物理学であるのに対して、物性物理学では、多数の原子の集まりとして作られ、私たちが(だいたい)直接その多様性を実感できるような物の性質について研究を行っています。
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磁性物理学分野


磁石が示す磁性(磁力)の主な原因は磁石を構成する原子に含まれる電子のスピンです。つまり電子をもつすべての元素が磁性を示すのですが、元素によって電子の数が異なり、磁性の種類や強さが異なります。たとえば鉄に代表される遷移元素の多くは磁気モーメントを持つため強い磁性を示し、磁石には必ず遷移元素が入っています。しかし、元素1つ1つの磁性が分かっても、物質の磁性を理解したことにはなりません。元素の組み合わせや、距離や配列により、お互いに及ぼしあう作用が異なってくるからです。電子が膨大な数(10の23乗個程度)集まった物質が作り出す磁性の多様性は無限にあるといって良いでしょう。同様に物質中の電子が作り出す興味深い現象としては超伝導がありますが、近年そのメカニズムに磁性が重要な役割を担うとして活発に議論されています。このように磁性は独立した研究分野ではなく、様々な物性現象と絡んで広がっていく魅力があり、応用面でも、磁石のみならず磁気冷凍材料や磁気記録など、多方面で新しい磁性材料の開発が求められています。
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光物性分野


半導体表面に強い光パルスを照射すると電磁波パルスが放射されます。光パルスの幅がフェムト秒程度(10^-15秒)に達すると電磁波の振動数はテラヘルツ(THz、10^12Hz)領域となります。 本研究ではこの放射されたTHzパルス電磁波を光源とした新しい分光システムであるテラヘルツ時間領域分光(THz-TDS)の開発を行っています。この分光計の特徴は測定電磁波の電界強度と位相スペクトルを同時に得られる点にあります。したがって、例えば透過測定を行うと,試料の屈折率の実部と虚部が同時に独立して決定できます。 本研究室では,このTHz-TDSを用いて,強誘電体結晶中の格子振動と電磁波の結合したフォノン・ポラリトンやフォトニックバンド構造やアモルファス中のボゾンピークなどを研究しています。また,金属フォトニック結晶やメタマテリアルなどの光学特性を測定しています。
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化学ユニット


分子及びその集合系の構造・性質・機能と、刺激に対する応答性・反応の基礎的な研究を通して、持続的発展の可能な社会の構築に寄与できる人材の養成を行っています。


分析化学分野


分析化学は、対象物がどのような元素や化合物から成るか、あるいはどのような性質をもっているか知るための、分離や計測といった実験法にかかわる学問領域です。化学のあらゆる分野における方法論的基盤を与えるだけでなく、臨床分析、食品分析、環境分析等、社会の様々な場面に貢献しています。当分野は、分析化学関連の授業・実験・演習を担当しています。また、電気化学分析を中心に、レーザー光、超音波、化学発光、油水界面、酵素反応などを組み合わせた、新しい分析法の研究を行っています。
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無機化学分野


無機化学では周期表に並んでいる全ての元素を扱いますが、元素とその化合物は無限に存在するので、これらの性質をひとつひとつ理解するこすることは到底できません。そこでまず、原子の構造や成り立ち、原子間に形成される化学結合、分子構造とそれに関連する性質についての基本原理を習得します。その後、各元素・同位体とその代表的な化合物の性質を理解しながら、多岐にわたる化合物や化学現象に対する洞察力も身につけます。無機化合物の合成や精製・同定に必要な基礎的な実験操作も習得し、固体の結晶構造や分子運動の解析、同位体の分離・濃縮、生体関連無機化合物の構造と性質についての研究に取り組みます。
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有機化学分野


有機化学は、炭素および水素を主たる構成元素とする有機化合物を対象とする研究分野です。「有機」という名称は元々生物を起源とする物質を示していたことに由来しますが、現代では、起源にかかわらず上記のように炭素および水素を主たる構成元素とし、窒素、酸素、硫黄、リン、ハロゲン、ケイ素、ホウ素などの元素からなる幅広い化合物群が有機化合物の範囲に含まれます。より具体的には、生体内の化合物から、医農薬品、香料・化粧品・洗剤、色素・染料、高分子原料、燃料・潤滑油類等身の回りのあらゆるところにある様々物質が有機化合物です。
大学の研究では、新しい有機化合物を合成して、その性質や機能性を調べることに主眼をおいています。未知物質の合成は容易でない場合が多く、合成の際には新しい手法を検討したり、合成反応の機構を詳しく調べることもあります。困難が多い程、学ぶことも多く、達成できた時は大きな喜びが得られます。
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物理化学分野


物理化学はさまざまな化学現象をモデル化し、精密な機器測定や数式の力を借りてその本質を解き明かそうとする学問です。近年、物質科学はめざましく発展しており、新しい化学物質や化学現象が私たちの生活の中で利用されています。それらの性質や効率を決める重要な現象の多くが、物質と物質が接する「界面」にあるわずか数分子分の厚さの領域で生じています。
私たちは、新しい測定法を開発してこの界面で生じている分子現象を理解し、また磁場をはじめとする外場を利用して界面や物質内部での現象を制御し、新しい現象や物質を見出すことを目指しています。
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地球学ユニット


地殻に現れるさまざまな現象と歩んできた歴史の解明を研究目標に掲げ、地圏システムを支配する法則を導き出す。フィールドに見られる複雑な自然現象を把握し、物理学をはじめ様々な分野の知識と方法論を駆使して、自然の複雑な問題を解決できる人材の養成を行っています。


地層科学分野


地層科学分野は、地球の過去・現在の姿を理解して、地球歴史から私たちの将来を考えるうえで必要な情報を発見し、それを社会に提供していく学問分野です。地球環境の急激な変化やさまざまな災害から身を守り地球規模の課題に取り組むために、地球に関する知識を蓄え、自然の営みを解明することが私たちに求められています。
地球の活動は地殻変動や台風、地震、旱魃(かんばつ)と多岐にわたります。しかも、それぞれの現象はお互いに無関係に見えても、実はさまざまなところで密接な関係を持っています。日本で見られる気候変動が、南アメリカ沖の海水温と関係していること(エルニーニョやラニーニャ)はその好例です。こういった地球の活動の複雑さは、お互いに全く無関係に見える現象が、最終的には密接に関連していることを示しています。
地層科学分野では過去の環境やその歴史を記録した地層や岩石、そして化石などから、地球環境の変遷を解明し、お互いの現象の関連性を解明して、未来への道しるべを導き出します。
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地球物質科学分野


地球の活動を知ることは、私たちの現在や未来を知ることでもあります。地球の活動は目に見えない地殻変動から大規模な火山活動や大地震といったものまで様々です。
北アルプスを作る岩石は過去のプレートテクトニクスによる地殻変動やマグマ活動を記録しながら、焼岳のような新たな火山活動の土台となっています。美しい田園風景として知られる松本盆地は、非常に活動的な断層によって作られた地形であり、その変動は現在も継続しています。
これらの地球の活動は、人間の生存期間よりも遙かに長い時間をかけて生じています。現在、地下で起こっているマグマ活動や地殻変動を知るには、岩石や鉱物に記録された事実を見いだし、そのメカニズムを解明する必要があります。まさに、地球の活動記録の地道な探求が、現在や未来を知る鍵となります。
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生物学ユニット


多様な生態・進化のしくみを考えるマクロの視点、生命にユニークな遺伝・発生・生理を考えるミクロの視点から、世界を驚かす生きもの研究に挑んでいます。


多様性生物学分野


(1)局所植物多様性の計測(シダ植物などの種密度)
(2)多種共存・多個体共存のメカニズムを解明
(3)種・個体群・群集の内的特性を探る(地衣類の共生)
(4)共存域のスケールに応じた外的要因の推定(分布解像度)
(5)個体のサイズと形状の計測(おおきな体か複雑な体か)
(6)生存域(分布)の広さと形状の計測(変遷速度)
(7)異なる生物レベルでの比較(遺伝子・タンパク・細胞・組織・器官)
(8)多種・多個体・多細胞共存様式
(9)共存の必然性と偶然性(共生か競争か)
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進化生態学分野


種間相互作用の進化と生態についてさまざまな研究をおこなっています。
(1)送粉マルハナバチ相の地理的な違いが山地性植物の花形質進化におよぼす影響
(2)アリ植物をめぐる昆虫5者共生系の相互適応と系統進化の歴史
(3)アリ-アブラムシ間での捕食-捕食回避をめぐるコンフリクトと種間認識化学物質の進化
(4)兵隊カーストをもつアブラムシとスペシャリスト捕食者であるガの間の対抗的な適応進化
(5)アリに寄生する特殊化したガの適応生態
などの研究について、フィールド調査、野外操作実験、室内行動実験、分子系統樹の作成、安定同位体比分析、体表炭化水素分析などの手法を用いて取り組んでいます。
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進化遺伝学分野


生き物のさまざまな特徴はどのようにして進化したのでしょう.
【左右性の進化】動物は内臓が左右非対称.内臓が左右逆の生物は進化しないのが普通です.なぜでしょう.左右逆に発生するカタツムリの鏡像変異を使い,形や行動の左右性にひそむ謎を追究しています.
【種形成のメカニズム】生物の多様な姿は,遺伝子で子孫に伝わります.多様な遺伝子を生物が維持できるのは,生物がたがいに識別し,交雑しない別種として繁殖しているからです.生殖隔離の進化すなわち種形成(種分化)こそが,生物を多様にする源のイベントです.生殖隔離をもたらす性質はどのようにして進化したのかを追究しています.
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植物生態学分野


自然の植物群集では多くの種が共存しており,たがいに影響しあっています.また,気象条件なども植物群集に大きく影響しています.植物生態学分野では,植物個体群の維持機構,植物の群集構造の形成機構,植物個体の環境適応,植生分布の形成機構,温暖化の植生分布への影響評価,外来植物の在来植物への影響などを,幅広く調べています.亜高山帯や高山帯の木本と草本植物を中心に研究していますが,低地の植物も研究しています.研究手法として,野外での植物個体群の個体群動態の測定,光合成や蒸散などの生理生態,年輪年代学,遺伝学的な方法などさまざまです.また,野外での測定,室内実験,栽培実験などを組み合わせて研究を行っています.
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系統進化学分野


今日の多様な生物の世界は,38億年にもおよぶ永い生命史におけるたくさんの試行錯誤があり,自然選択や偶然性も作用して築かれたと考えられます.過去に起こったこれらの進化プロセスを精確に究明することは困難な作業ですが,表現型の類似性やその形態形成(発生)プロセスの類似性,遺伝情報の類似性などといった多方面からのアプローチを行いながら,より信頼性の高い系統進化のプロセスを解き明かすのが系統進化学です.昆虫類がどのようにして起源したのか? 飛翔能力をどのように獲得したのか? などといった「大進化」から,種分化や地域集団レベルでの遺伝的分化などに至るまでの様々なスケールでの系統進化現象の解明に取り組んでいます.
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植物分子生理学分野


庭にはびこって、やっかいなゼニゴケ。ゼニゴケを研究して何の役に立つの?とよく聞かれます。植物は5億年ほど前に陸上に進出したといわれていますが、ゼニゴケの仲間は、陸上植物の進化の過程で最も初期に他の植物から分かれ、独自に進化してきたと考えられています。ゼニゴケについて調べ、それらを他の陸上植物と比較することで、初期の陸上植物がどのようなもので、陸上植物がどのように進化してきたかの手がかりを得ることができます。また、ゼニゴケは、生育方法や分子生物学的な実験方法が確立しており、実験的にも扱いやすい植物で、苔類のモデル植物として注目されています。そこで、ゼニゴケを使って、陸上生活への適応に関連した調節遺伝子の働きを調べています。また、やはり雑草ですが、モデル植物として有名なシロイヌナズナを用いて、形態形成や二次代謝を調節している遺伝子の働きを調べています。
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分子生態学分野


生物の分布域形成の解明には、その種の移動分散や地誌が大きく関わっており、時空間的な理解が不可欠です。また、種間の相互作用といった進化生態学的な側面からのアプローチも重要です。
淡水魚類は分布が文字通り淡水域に限定され、生息域の歴史的変遷と共にその分布域を形成しており、生物相の成り立ちを研究するのには格好の材料です。また、DNA解析からもたらされる遺伝子情報は、種分などの進化系統関係を推測する有用なツールであるばかりでなく、交雑や競争等の集団間の生物学的な相互作用を解析するにも有用です。
種分化と関連した分布域形成のテーマとしては、冷水性のトゲウオ科魚類であるトミヨ類各種が、氷河期の地誌的繰り返しの中で、いつどのような経路で日本列島へ侵入してきたのか解明を進めています。また、種間の相互作用、特に交雑によってコイ科のモツゴが近縁種のシナイモツゴの分生息地を乗っ取っている現象や、外来種であるバスが同じ外来種であるフロリダバスと交雑することにより、より侵略的特性を獲得している現象など、外来種の侵略メカニズムを、遺伝学的情報と生態学的情報を組み合わせることにより、そのプロセスと原因の解明を進めています。さらに、これらから得られる情報を絶滅危惧種の保全に役立てるべく、個体群の絶滅予測に用いる等の試みをしています。
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生殖生物学分野


多くの脊椎動物には雄と雌がおり、種によっては外観から見分けることができます。これは主に成熟した個体に発達する二次性徴によります。一方、二次性徴とは別に繁殖期にだけ見られる婚姻色という形態も存在します。これらはどのように生殖行動へ関わっているのでしょうか。さらにヒトのように性染色体の構成により遺伝的に性が決まる種でも、下等脊椎動物の場合には人為的に遺伝的性とは異なる性へ分化させる、つまり性転換を誘導することができます。そのメカニズムはどうなっているのでしょうか。メダカ属のいろいろな種を用いてこれらについて研究を進めています。
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共生分子生物学分野


「共生」と「代謝産物」をキーワードにして、植物のもつ様々な不思議を分子生物学的、生化学的に解明しようと研究を進めています。
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物質循環学ユニット


地球表層における、地圏・水圏・気圏および生物圏の諸現象を物質循環の視点から研究を行っています。


生態システム解析分野


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地球システム解析分野


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基礎となる学部・学科

理学部理学科物理学コース
理学部理学科化学コース
理学部理学科地球学コース
理学部理学科生物学コース
理学部理学科物質循環学コース