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研究トピックス 研究活動詳細

若年者虚血性心疾患患者における発症危険因子の特徴と予防戦略

保健学専攻  本郷 実・畔上 真子・柳澤 節子

近年の食生活の欧米化、車社会による運動量の減少などライフスタイルの著しい変化に伴い、動脈硬化性疾患の疾病構造には大きな変化が生じています。私たちは、1980−1999年に発症した若年者(20-40歳)急性心筋梗塞、狭心症患者、の冠危険因子についてその特徴を5年毎に検討しました。その結果、肥満、高血圧、脂質異常症、糖尿病などのうち3つ以上の危険因子を有する患者、特に肥満患者の頻度が最近特に増加していることを報告しました。その後、調査を長野県内全域に展開して、若年者虚血性心疾患患者について発症と生活習慣病、発症の季節変動などとの関連を解析しました。その結果、中高年群(50歳以上)の発症危険因子は高血圧であったのに対して、若年群の最も重要な発症因子は肥満、特に18歳未満の小児期肥満で、夏季の発症リスクが高く(図1)、喫煙との関連が強いことを明らかにしました。発症メカニズムとして、急性(脱水、喫煙)および慢性危険因子(小児期肥満、運動不足、生活習慣病、喫煙など)の関与が示唆されました(図2)。発症の予防戦略はこれら双方の危険因子に向けられるべきであり、若年群における効果的な予防教育や、ハイリスク対象者の判別に寄与し得るものと考えます。

 

図1 若年者虚血性心疾患患者における発症リスク(1992—2002年、101例)

図2 若年者における虚血性心疾患の発症機序