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研究トピックス 研究活動詳細

NADPHoxidase(Nox)ファミリー遺伝子の癌化における機能的役割

分子細胞生化学講座 Mitsushita, J., Lambeth, D., and Kamata, T

NADPHoxidaseは、NADPHを基質として、活性酸素(・O2-)を産生する膜酵素(図1)で、マクロファージ(貧食細胞)に存在して、外界からの病原菌を殺し、生体防御の役目をもっています。ところがNADPHoxidaseの新しいファミリー(Nox)遺伝子が、1999年以来、続々と発見され、自然免疫以外の多様な生命現象における役割が示唆され、それを解明することが、重要な問題となっています。私たちは、Noxファミリーのひとつ Nox1がRas発癌遺伝子で癌化した細胞の細胞増殖、形態(アクチンストレスファイバー)、浸潤能、造腫瘍能を媒介することを発見し、Ras癌化過程には、Nox1の産生する活性酸素によるレドックスシグナルが、必須であるというモデルを提唱しました(図2)。また、ヒトすい臓癌でもNox4が、 AKT-ASK1キナーゼを介した抗アポプトシス作用を果たし、癌細胞の生存に必要であるというexcitingな発見を行いました。さらに、Nox1の新規標的蛋白として、LMW-PTPホスファターゼや小胞体レドックス蛋白ERp72を同定し、GATA-6がNox1遺伝子の転写因子であることも解明しました。さらにこのシグナル伝達機構を詳細に検討することで、新しい癌化機構を解明しつつあり、将来は診断・治療への応用を追究します。


図1  図2

図1                                   図2
(Mitsushita, J., et al. Cancer Res. 64: 3580-3585, 2004.より改変)