実務の最前線を知る教授陣による少人数教育×実務に役立てる実践的カリキュラム

先輩の声

HOME > 先輩の声 >吉沢大輔さん

先輩の声> 先輩の声一覧へ戻る

吉沢大輔さん(2012年3月修了)
生活協同組合連合会コープネット事業連合 北関東・ながのSM店舗運営部
水産スーパーバイザー



 本大学院は社会人大学院である。様々な業界から年齢や国籍、背景も全く異なる学生が集まってくる。その中でも私の経歴は異色ではないか。私は高校受験を失敗し「中学浪人」を経験している。翌年進学を果たすものの、学校とは疎遠となり学業は疎かになっていった。そんな私に大学進学の選択肢はなく、いわゆる「高卒」で生協に就職をした。生協では配送業務に3年間従事し、その後店舗(SM業態)へと配属となった。店舗では一貫して水産部門を担当、「包丁一本さらしに巻いて」の魚屋(職人)が私の経歴である。 私が大学院を志した最大の理由は、学生時代にやり残したこと、つまり「大学進学」であった。その単純な発想から経営大学院の門を叩いたのである。入試時に提出した自己申告書や研究計画書は、あまりにも稚拙で恥ずかしいかぎりだ。また、入学試験である小論文と面接も支離滅裂であったことを記憶している(よくあの準備不足のままチャレンジしたなぁ、と自分の事ながら感心する)。今更ながら、私を受け入れ教育を受ける機会を与えてくれた、寛大な本大学院に感謝申し上げたい。
 入学後の講義は、最先端の経営実務と理論に触れられる感動と興奮の連続であった。余韻冷めやらず帰宅後、深夜まで机に向かうこともたびたびだった。殆どの講義科目には単位取得のためリポートが課せられる。教授によっては、リポート提出後びっしり「赤入れ」され返却される場合もある。しかし先生のコメントはいつも愛情(?)に溢れ、いつしか「赤入れ返信」を待ち侘びるようにすらなった。私は大学院生でいられること、学ぶ機会を与えてもらった喜びを毎日のように噛みしめていた。
 大学院最大の難関は、修了要件である特定課題研究論文(修士論文)の執筆である。まともな文章を書いたことがない私を、根気強くご指導いただいた指導教員の柴田匡平先生には感謝をしてもしつくせない。研究テーマであるフィージビリティスタディでは、GISの活用や地域商業研究が不可欠であり、信州大学教育学部社会科学教育地理学の石澤孝先生からもご教示もいただいた。石澤先生のご厚意で、まちづくりや中心市街地活性化、都市・経済・社会地理学研究などを目的とした「巡検」にも参加させていただき、買い物弱者支援についてのご示唆をいただいた。
 また、本大学院では、社会人大学院ならではの多くの出会いがあった。親身になりご教示くださる先生方や大学院事務員方、今後一生付き合っていくことになるであろう友人たち。私にとって貴重な財産となっている。学外での世界観も大きく変化した。今まで趣味をもたなかった私が、友人の誘いからSGC(信大グリーン研鑽会)に研究員として末席ながら名を連ねさせていただいている。
 協同組合は、非営利組織であることが経営の基本にある。また、そのことを差別化の要因としてきた。しかし、生協の創立期である戦後と現代では社会環境が激変している。そして震災を経た未来は、更に変化することであろう。そのなかで、何を変えなければならないのか。あるいは、何を変えてはいけないのかを顧客目線で考えることが重要である。それを自らの業務の中で、どのように実現するのかが私のこれからの課題である。
 私が大学院で研究生活を過ごすことができたのは、家族や周りの支えがあったからこそである。大学院進学に理解を示し送り出してくれた妻には本当に感謝している。休日も部屋にこもりきりで、子供たちとあまり遊んであげられなかった。ただ、父親として頑張る姿をみせることが出来たと思っている。子供たちの成長の糧となれば望外の喜びである。学生時代、本当に迷惑ばかりをかけた両親には学位記を献呈した。少しは恩返しが出来たのではと勝手に思っている。

 2012年6月入梅  長野市の自宅にて

 


このページの先頭へ