2011年2月、約10年間の東京勤務を終え、故郷長野へ戻って来ました。これから始まる故郷での新生活に、期待で胸を膨らませていた矢先の3月11日に『東日本大震災』が、翌12日に『長野県北部地震』が発生しました。この地震により、多くの尊い命が奪われ、志半ばにして夢を諦めなければならない多くの子供や若者たちがいました。その現状を目の当たりにし、私は「何て恵まれた環境にいるのだ」、そして「これからもずっと夢を追い続けることができる」といったことを強く感じるようになりました。
そのような思いを抱き始めた頃、知人から本大学院のことを聞き、入学を強く勧められました。ただ、学生の時、勉学よりも遊学を優先していた私にとっては『組織論?』、『戦略論?』と言った状態で、本大学院で学ぶような資格はないと思っていました。しかし、私にも経営者になるという夢があり、その夢を実現させるためには、本大学院へ入学し、座学だけではない、より実践的な学びを得ることが必要不可欠であると判断し、本気で挑戦してみることに決めました。
そうは言っても、そんなに簡単なことではありません。仕事と家庭がある上、学生にもなる訳です。二足の草鞋どころか、数足の草鞋を履くような生活を送ることになります。そのため、本当に苦しい時もありました。諦めてしまいそうな時もありました。しかし、そのような時でも前へと歩を進めることができたのは、常に励ましてくれた指導教官の柴田先生をはじめとした先生方、そして共に学び、苦しんだ多くの仲間たち、そして何よりも応援してくれた家族の存在があったからこそだと思っています。そのような素晴らしい人たちと、本気になって勉学に勤しめたことは、間違いなく生涯忘れることのできない大切な時間となりました。
本大学院修了後、直ぐに新たな挑戦をすることになりました。それは、異業種への参入です。本業のIT業から、縁もゆかりもなかった飲食業へ飛び込むことになりました。正直、毎日高い壁に道を塞がれ、頭を悩ませています。しかし、本大学院で学んだこと、修了したことが自信へと繋がっており、改めて夢を追い続けられる幸せを噛みしめながら、新たな夢の実現に向け、一歩ずつ前へと進み始めています。
子供の時のような夢を持ち、その実現に向けて本気になって考え、行動している人。そのような人たちが集まり、学び合う場所が、経営大学院だと思っています。