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外資系トップコンサルタントが考える実践経営学

ボストンコンサルティンググループとアクセンチュア戦略グループ-世界を代表する経営コンサルティング会社で活躍した、今村教授が考える実践経営学とは何か?

トップコンサルタントに、これまでのコンサルティング経験や、その経験を活かしてどのような講義が経営大学院で行われるのかを伺った。

(インタビュアー:高相栄美)

外資系トップコンサルタントが考える実践経営学

本日はお忙しい中お時間を頂きまして、ありがとうございます。先生は、外資系コンサルティング会社では、どのような業界に対しどのような領域でコンサルティングを行っていらっしゃったのでしょうか?

今村: 色々な業界を担当しましたが、最近5年くらいは自動車、産業財・部品、医薬品、アパレル、総合商社、消費者金融、ITなどですね。またテーマとしては、企業の再建、全社改革、グローバル戦略、新規事業の立ち上げ、リーダー育成や人事制度の見直し、M&Aなどが多かったと思います。


思い出に残るプロジェクトには、どのようなものがありましたか?

今村: どのプロジェクトもそれなりの面白さがありましたが、インパクトの大きさでいえば、やはり危機に瀕した大企業の再建・再生、高成長企業の全社人事制度の抜本見直し、産業財企業の新興国事業戦略などですね。また楽しい思い出は、テーマパーク事業戦略を作るために、全国のテーマパークを見て回ったり、ファーストフード・チェーンの事業計画作りをお手伝いするために、実際にお店で丼作りや食器洗いを実習したり・・・たくさんありますね。


なぜ戦略コンサルタントから、アカデミズムの世界に転進しようと考えられたのですか?

今村: 一番は、やはり実務の世界で学んできたことを一旦整理して、後進の皆さんに伝えたい、という思いと、もっと今までと異なる新しいことを学んでいきたい、というのが、動機ですね。私の場合は、15年以上前から、大学や大学院で非常勤講師をしてきており、教えたり、教材を考えたりするのは大好きでしたので、大きな転進という感じというより、自然な流れにそった脱皮という感じです。


アカデミズムの世界で達成したい目標は何ですか?

今村: アカデミズムは、長い学問的な蓄積と研鑽が求められるので、私のように実務家出身者が、貢献できる領域はかなり限られると思います。 志としては、二つあります。
一つは、経営の「根を持つことと翼を持つこと」を考えることです。信州や上越といった地域に根差した企業が、グローバル市場に羽ばたくときに、どうしていかねばらないか、について、企業経営者の方々と議論を深めていくことです。
二つ目は、「心のある企業経営」とは何か、をより深く考えることです。「こころある消費者」「こころある生産者」「こころある経営者」をどう育成していくか、などに関し、学際的に思考を深め、議論していくことが、今後のサステナブルな社会を構想していくために必要に思っています。どれも、大変ですが、やりがいのあるテーマなので、ワクワクしています。


これまでのご経験を基に、どう特徴ある教育をなさいますか?

今村: 私は、これまでコンサルタント会社自体の経営にも携わり、グローバル全社の人事・人材開発チームのリーダーの一員でもあり、実は、そうした経営体験から非常に多くを学んでいます。また、コンサルタントとして多くの経営者の方々と接してきただけでなく、今でも必ず毎週経営者の方々と直接対話をさせて頂くことを課し、勉強をさせて頂いています。そういうマネジメント経験に基づき、教育の場でも、基本は「経営者の視座」の獲得を目標にした、徹底的な実務教育を原則にしております。具体的には、現実の事例(ケース)を材料に、具体的に問題を発見・分析し、解決策を考えるスキルを身につけてもらいます。また、経営者として、同僚と議論し、グループ思考の品質を高め、よりよい結論に導くための、経営者に必要な知的リーダーシップやコミュニケーション能力の育成にも努めたいと思います。


大学院の学生に期待することは何ですか?

今村: マルセル・プルーストという人が「ほんとうの発見とは、新しい土地を探すことではなく、新しい目で見ることだ」と言っているそうですが、イノベーションとは、まさに見慣れた世界を新しい目で見ることから生まれると思います。学生には、そうした新しい目を獲得するために、
①好奇心を常にもつ、
②聞く勇気をもつ、
③自分の過ちをすなおに認める、
の3点を求めます。
また、入学時の“?”より、もっとスケールとインパクトの大きな“?”を抱きつつ卒業してほしいですね。

高相: 本日はお忙しい中、貴重な、そして、大変面白いお話をありがとうございました。