信州大学経営大学院では、現場の最前線で活躍する多くのビジネスパーソンが企業派遣されることにより、ビジネススキルアップを図っています。今回は、ホクト産業株式会社から企業派遣され、信州大学経営大学院をご卒業なさった原明さんをご紹介します。
(インタビュアー:高相栄美)
原氏: ある日突然…上司からの話で経営大学院入学を知りました。
高藤専務: 会社の将来の経営トップを育成する為、マネジメントの勉強をするに相応しい人材として、精神的にも身体的にも強い原君が選ばれた訳です。
原氏: 最初はただただ不安でした…。論理的にものごとを考えるスキルは、学び取りたいと考えていました。
高藤専務: 組織を束ねる能力を養うことです。個人の力には限界があり、組織を動かすにはどういうことが大事か、その重要性に気付き動かすプロセスを学んで欲しいと期待をしていました。
原氏: 自分の仕事を時間内に解決して、大学院に行く時間を作りだす、時間配分に気を付けていたので、不安は感じませんでした。もちろん、会社のサポートがあったおかげも大いにあると感謝しています。
原氏: 仕事の延長で大学院に勉強に行っていたという感覚だけだったと思います。
原氏: キビシイのひとことです。自分の能力の無さを突き付けられました。 会社の期待も背負っていたので、プレッシャーに押しつぶされない様に、ただただ気を張っていました。人生で一番勉強をした時期です。
原氏: 2年で卒業を課せられている重圧はありました、でも同僚が経験できないことを学ぶことができると前向きに考え、仕事を時間内に解決して、大学院の勉強をひとつひとつクリアしていく事を常に意識していました。与えられた機会を限られた時間内でこなすことはとても大変ですが、とても充実した2年間でした。
原氏: 無我夢中でやることです。
高藤専務: 大学院の講義に間に合う時間に、「行ってらっしゃい」と送り出す雰囲気があった程度で、具体的な支援が思いつかないのは、本人の自己管理が出来ていたからということに尽きると思います。
原氏:このとおり自分の普段の生活=会社であるということと、会社の将来の為にも、会社をテーマに研究・分析し、貢献できればというのが大きな理由です。分析していく中で、会社だけでなく自分を見つめなおすこともできたのではないかと今は思います。
原氏: 壮絶な2年間でしたが、今振り返ると、ビジネスで壁にぶつかった時に「あの時の苦労に比べたら乗り越えられる」という「指標」になっています。それを得ることができたと思います。
原氏: 人との関わりで視野が広がったことです。自分の所属する会社・業界以外の方と意見交換できるのは人生に幅が持てると思います。
高藤専務: 異業種の方々と知り合えることで、「目からうろこ」の考えを吸収し、仕事に反映させることができる、彼にとって自己変革の良い機会だったのではと思います。
原氏: 仕事での意思決定が必要な時、AかBか選択をしなければならない時、目に見えない奥深い部分で、経営大学院で得た知識・経験が大いに役立っていると思います。
高藤専務: 経営大学院を修了した彼の存在自体が貢献です。実務に活かしてくれていることはもちろん、今後もこういう人材を育成して会社を盛り上げていかなければなりません。組織変革(イノベーション)を起こすに欠かせない人材になることを期待しています。私は、松下幸之助や本田宗一郎やP.F.ドラッカーなど、歴代の経営者達の残した言葉を教訓にし、組織変革が問われる今現在のビジネスに繋げることを大事にしています。原君をはじめ、社員の皆に本を読んでもっと勉強して欲しいです。原君の様な後輩が増えるように、原君自身も影響力を持って仕事をしてほしい、ゆくゆくは組織変革に影響する人材になると願っています。
原氏: 本当にキビシイですが…やりがいがあります。指導いただいた柴田先生が、「大人になって自分だけの為に時間を使う事は、貴重で贅沢な事だ。」と話してくれた事があります。経営大学院へ入学して、自分の成長のために、勉強をする機会と支援を与えて頂いたのは贅沢な事と気付くことができました。幸せな事で、感謝しております。色々な面で自分を成長させてくれることは間違いないです。 (ただ、もう一回やれと言われたら、もう…できませんが。)