事業の背景と目的
- 近年、進学率の上昇、国際化の進展に伴う外国からの留学生、教育内容の多様化や高度化など、学生を取り巻く環境が大きく変化しており、資質、能力、知識の異なる多様な学生が増加するとともに、少子化、ニート・フリーターなどの様々な社会的課題も生じており、学生支援の充実が重要な課題となっています。
- 本事業は、各大学、短期大学、高等専門学校における、入学から卒業までを通じた組織的かつ総合的な学生支援のプログラムのうち、学生の視点に立った独自の工夫や努力により特段の効果が期待される取組を含む優れたプログラムを選定します。
- 本事業では、選定されたプログラムを広く社会に情報提供するとともに、財政支援を行うことで、各大学等における学生支援機能の充実を図り、学生の人間力を高め人間性豊かな社会人を育成することをねらいとしています。
背景
近年、メンタルヘルスに関わる問題にとどまらず、WHOが掲げるライフスキルの欠如に見られるように、学生が抱える修学上の問題は多様化している。さらに、発達障害が大学生にも見られるようになったことも、事態を一層複雑化させている。
その結果、問題の深刻化により休退学が増加する傾向も見られる。また、発達障害者支援法(平成17年施行)でも、高等教育機関での対応が求められている。
学生支援の現状では、メンタルヘルス上の問題に対処する個別的な学生相談、卒業後のキャリアサポート、一般的な授業改善等の取組は散発的に提供されているものの、ライフスキルに関わるニーズへの対応を含む体系的支援は十分ではない。
こうした現状認識に立ち、多様な支援ニーズに対応するには、現在の学生支援の取組を体系性のある支援システムに再編することが必要との認識に至った。
そこで、信州大学では、社会的に自立した人材の育成という大学教育の目標を実現するために、新たに設置される学生支援委員会の統括のもとに現行の取組を抜本的に再編し、組織的支援プログラムを開発することに着手することとした。
プログラム概要
個 性 の 自 立 を ≪ 補 い ≫ ≪ 高 め る ≫ 学 生 支 援
~ 発達障害にも対応できる人間力向上支援プログラム ~
キーワード:発達障害、ニーズ把握、フィールド体験、ライフスキル、ユニバーサルデザイン
本プロジェクトは、人間力向上に焦点を当て、発達障害等のきわめて専門的な支援ニーズの高い学生への支援までをも実現するための取組である。
これを全学で展開するために、既存の取組を再構成し、全学的組織である学生支援委員会において統括する。
全1年次生に対して、質問紙・面接等により網羅的にニーズ把握を行い、自然に恵まれた本学ならではの、フィールド体験による予防的、開発的プログラムを提供する。その結果を受け、学生のニーズに応じて社会人としてのライフスキル(コミュニケーションスキル、対人関係スキル等)向上のためのプログラムを提供する。
さらに個別的な支援を必要とする学生に対しては、修学支援、授業改善、医療相談、進路相談等を含む専門的支援が継続的に提供される。
これらの連続的でユニバーサルデザイン化された支援システムは、多様な学生ニーズに応え、学生一人ひとりの潜在的な能力の開発と自己実現をめざすものである。

組織図
選定理由
信州大学においては、学生支援に関する目標等に基づき、学生支援の取組を長年にわたり、具体的かつ組織的に実施しており、大きな成果を上げていると言えます。
特に、発達障害学生への支援の取組にあっては、多くの学生がメンタルヘルス面で潜在的に問題を抱え、さらに発達障害の学生もいるという想定に立って対応し、早期発見、早期対応・支援、そして、そうした支援教育を通して全学生の人間的成長の向上を目指す取組であり、他の大学等の参考となる優れた取組であると言えます。
発達障害学生への取組には、組織体制と知的資源が重要ですので、それらの充実を通して優れた成果を期待します。



事業の背景と目的

