即戦力の人材育成

社会に資する科学技術や製品開発を見据え、理・工・農・医+αの分野を融合した総合的工学分野の研究をします。最先端繊維材料の開発を基軸とし、モノづくりに関連した科学技術を幅広く学べるカリキュラムで、広い視野と知識を持つプロフェッショナルを育成します。

即戦力を輩出し続けるヒミツ

4年生は研究室に所属しますが、繊維学部は課程の壁を越えて企業のプロジェクトのように研究領域をまたいで教育研究を展開するのが特徴です。リサーチや技術試験、ディスカッションなど、課程の違う学生や教員と共同研究をするということは、幅広い分野にわたる知識の融合・ぶつかり合いの中で円滑に研究を進めていくということですので、学部の研究を通して、知らず知らずのうちに物事を多角的見地から考えることや、コミュニケーション力を身につけることができます。また、新製品や技術開発を行う上でのパフォーマンス技術も身につきます。こういった人材こそが、企業が求める即戦力なのです。さらに、繊維学部は世界で活躍する人材を育てるため、英語教育にも力を入れており、TOEICプログラムを使った英語教育を行っています。1、2年生は年2回の受験が必須となっており、試験結果を教員が分析するなどきめ細かいフォローも行っています。また、いつでもどこでも英語が自学自習できるように、英語のe-lerningシステムを5コース導入。英語の成績優秀者には、学部をあげて海外留学を支援する体制を築いています。

創作意欲をカタチに~人のためのモノづくり精神を育む

繊維学部の有志たちの「冬の上田にお客さんを呼べないか?」という思いから始まった「ハナサカ軍手ィ(ぐんてぃ)プロジェクト」。学生が生み出したのは、おしゃれな柄がプリントされたカラフルでかわいいデザイン軍手でした。斬新なアイディアと独自性がメディアで注目されて大好評を博し、商品化に結びついたことを皮切りに、全国から注文を受けて完売。上田の冬を楽しくあたたかくしたこのプロジェクトは、地元のプリンタメーカーと商店街の協力を得て町おこし活動に貢献することができました。利益を追求するのではなく地域社会のことを考えた取り組みは高く評価され、第7回キャンパスベンチャーグランプリ東京において、ビジネス部門のソーシャルアントレプレナー賞を受賞しました。
また、“世界にたった一冊の絵本”づくりを実現する「共創デザイン絵本制作ラボ」では、人に感動や共感を与える感性価値創造型モノづくりを地元の生活者に伝える活動が評価され、第5回キャンパスベンチャーグランプリ東京(2008年度)ソーシャルアントレプレナー賞を受賞しました。社会のための新しい価値を創造するモノづくり活動を行っています。

次世代ファイバー工学の研究拠点

繊維学部は日本で唯一の繊維の専門学部であると同時に、世界に向けた日本のファイバー工学の拠点となっています。2011年には先端産業への更なる革新を目指して「ファイバーイノベーション・インキュベーター(Fii)」 施設を設立。産学官の協働による研究開発が行える基幹的な設備、評価試験設備を整え、マーケティングを知るコーディネーターとの連携のもと、多面的な技術革新創出拠点としての役割が期待されています。学生は、学部内で企業のインターンシップを体験できることになり、ますます企業との結びつきが深まっていくことでしょう。また、同年3月には「先進植物工場研究センター」が整備されるとともに「コンテナ植物工場」を設置。先進的野菜栽培システムの研究開発がスタートします。異常気象や深刻な農業問題を背景に、工場での栽培に適した植物の技術開発や野菜栽培システムは国内外の企業から期待されています。

次は気になる進路について。「ニッポンの大学トップ100 本当に強い大学2010」(週刊東洋経済)理系ベスト100の5位にランクイン。その本当の理由は?

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