理学部長挨拶

信州大学理学部長 市野 隆雄
信州大学理学部長
市野 隆雄

 就職活動で企業面接にのぞんだ理学部の学生が、「あなたが理学部でやってきたことが、この会社で何の役に立ちますか?」と聞かれたそうです。その学生は、「論理的に考えることによって、いろいろなことへ対処できる力を自分は持っています。そして、それは会社だけでなくすべてに通用する力だと思います。」と答えたそうです。

 理学部は、「批判的な思考力をもった学生を育てる」ことを教育目標の一つにしています。批判的思考力の育成は、最近では大学教育そのものの目標とされることも多いですが、上にあげたような、卒業後もそれぞれの場で問題解決にむけた独自のアプローチができる人を育ててきた理学部の教育は、それを先取りするものといえます。

 理学部は、自然現象の不思議を解き明かし、物事の本質を突き詰める研究を行う学部です。その学問の性質上、研究の成果はすぐには役に立たないかもしれません。しかし、例えば電磁波の発見が無線通信の実現につながったように、いずれ社会に革新的な変化をもたらす潜在力を秘めています。上の理学部学生の話と似ているところがありませんか。ホームページ上の「理学部クエスト」には、このような信州大学理学部で行われている研究がたくさん紹介されています。一人一人の教員が、高校生のみなさん向けになるべくわかりやすく説明し、みなさんへメッセージを送っています。ぜひご覧下さい。

 最後にお伝えしたいこと、それは信州大学理学部の勉学環境についてです。まず、信州の恵まれた自然環境にあり、落ち着いて学業に取り組むことができます。さらに、各学科・コースの定員が少ないことから、少人数で双方向性の高い教育を受けることができます。学生と教員の距離が近いため、演習、実験・実習科目等はもちろん、講義科目においてもインタラクティブな授業が展開されています。全学アンケートで、「もう一度学ぶとすればどの大学へ行きたいですか?」という卒業生への質問に対して、「信州大学理学部」と答えた卒業生が高い割合を占めました。これは、教員の情熱と学生のやる気が相乗効果を生む少人数教育の一つの成果と考えています。

 「学ぶ」ということは、「変わる」ということです。ぜひ一皮も二皮もむけて、自分は大学でこれを学んだという自信をこの信州大学で培って下さい。