理学部長挨拶

信州大学理学部長 尾関 寿美男
信州大学理学部長
尾関 寿美男

自然は多様で、驚くほど精緻にできていて、そのしくみを見抜き、理解するのは容易ではありません。自然に潜む美しい構造の物質や神秘的な現象に感嘆し、その奥の数限りない真理を観察、実験、シミュレーション、理論によって解明し、再現・予想できるまでに高めることに価値を認め、無上の喜びを感じる人々がいます。見返りを求めず、ニーズなどの利用を念頭に置かず、ひたすら真理に迫りたいと願う、理学部に集う人々です。

数理の世界は自然と離れて発展しますが、自然科学は数理科学を離れては進展しえません。自然や物質は人から離れて存在するとして認識され、因果律に基づく科学が成立します。しかし、原因を見極めることは難しく、結果は方法論や熟練などに依存します。さらに、認識された事実の正しさ、美しさ、新しさ、意味などの評価は"人"の価値観、美意識、倫理観、経験などによって変わります。このように、科学は極めて人間的かつ個人的な側面をもちますので、真の科学を創造するためには深い人間性や多様な人々と交流する力を養うことが大切です。 理学部は勉学、探求、思索を愛する皆さんを歓迎します。