お知らせ

11/15(金)開催:数理科学談話会
 マツ材線虫病(松枯れ)における病原線虫と媒介昆虫の相互関係および病気の分布拡大の解析とモデル

学科イベント

 理学部では,教員や学生が専門分野や学科の枠を越えて学問的な交流を進める契機となるような,「数理科学をキーワードとする講演会シリーズ」を企画しています。
 最先端の研究テーマに取り組む講師の方々には,非専門家や学生の皆さんにも無理なく理解できるように,易しい語り口で話すようにお願いしています。
 お気軽にお越し下さい。

 

会 場:理学部「数理・自然情報合同研究室」(理学部A棟4F西端)

日 時:2013年11月15日(金)16:20-17:50

講 師:富樫一巳氏

(東京大学大学院農学生命科学研究科 教授)

講師の研究分野: 森林保護学,森林昆虫学,応用生態学

主 催:理学部「数理科学プロジェクト」

信州数理科学研究センター(代表 井上和行)
http://math.shinshu-u.ac.jp/~center/index.html

共 催:生物学教室セミナー

 

<題 目>

マツ材線虫病(松枯れ)における病原線虫と媒介昆虫の相互関係および病気の分布拡大の解析とモデル

 

<要 旨>

 松枯れはマツノザイセンチュウの感染によって起こり,それをマツノマダラカミキリ成虫が伝播します。枯れたばかりのマツに媒介昆虫が産卵し,幼虫は内樹皮を食べて発育します。病原線虫は枯れたマツの中で増殖します。翌年には線虫を持った媒介昆虫の成虫が木から出てきて健全なマツの枝の樹皮を食べます。枝の傷口から病原線虫は樹体内に侵入して感染環は完成します。
 病原線虫と媒介昆虫は相利共生関係にあると言われますが,病原線虫は媒介昆虫の気管に入って運ばれるため,個体レベルでは必ずしも相利共生ではありません。線虫の伝播経路は複雑であり,線虫の存続を助けます。松枯れの始まった林ではマツの発病率と昆虫密度には正の相関が見られます。林内の発病木の時間的空間的分布の特徴は,媒介昆虫の個体群調査と実験室の研究から推定され,モデルによって再現されます。さらに,林内の媒介昆虫個体群の動態モデルと長距離飛翔分布を結び付けたモデルによって,長距離飛翔個体の割合が0から高くなるにつれて,病気の感染地の拡大速度は増加し,6-7 km/年に達しますが,割合がある値を超えると速度が急に低下することが示されます。
 セミナーではこれらの研究を紹介します。

 

<キーワード>

 伝染病,松枯れ,マツノマダラカミキリ,マツノザイセンチュウ,マツ材線虫病


 

企画世話人:藤山静雄(理学部 生物科学科)

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