数理科学への誘い

信州大学の先生たちから数学の魅力または、
数理科学への道にすすむきっかけをお聞きしました。

謝 賓

印象に残っている定理や理論などを教えてください

高校生のときに学んだ二項定理です.これは二項式の冪の展開に関する定理であり,次が成り立つことを主張しています.
\begin{equation*}
(a+b)^n =\sum_{k=0}^n {}_n \mathrm{C} _k a^kb^{n-k}.
\end{equation*}
一見すると,この定理は初等的なものですが,パスカル(Pascal)の三角形や二項分布などに深い繋がりがあることを知って,二項定理には強い魅力を感じました.

数理の道に進むきっかけは?

高校生のとき,数学の成績は良かったのですが,好きだったわけではありません.大学生になって確率論の講義を聞き,確率論は多くの興味深い話題に繋がっていることがわかり,非常に面白いと感じました.そのことがきっかけとなり,さらに深く数学を勉強したいと思うようになりました.

どのような性質をもった定理や理論に、数学的な「美」を感じますか?

ランダムな現象に潜んでいる様々な法則性に,数学的な「美」を感じています.例えば,一枚の硬貨を10回,100回,1000回,1万回,さらに,10万回と投げ続けると,「表の出る相対頻度が$1/2$に近づく」という現象が見えてきます.このような現象はサイコロ投げなどの試行においても観察され,大数の法則と呼ばれています.様々な偶然現象の中に潜んでいる法則性を探り出すことが私の楽しみです.

数学科 自然情報学分野 謝 賓 Link

理学部クエスト 不確実な現象の解析
職名 准教授
略歴 2005 年東京大学大学院数理科学研究科修士課程修了
2008 年東京大学大学院数理科学研究科博士後期課程修了
2008 年現職