日本列島の多様な生物の世界はどのようにして創出されたのか?

日本列島の多様な生物の世界はどのようにして創出されたのか?

約2500万年前頃、のちに日本列島を構成することとなる陸塊はユーラシア大陸の東縁に位置していたとされます。やがて、大陸から離裂するようにして日本列島の原型がつくられますが、東日本と西日本はそれぞれ独立して「観音開き」のように離裂したと考えられています。このようにして形成された島嶼は「大陸島」と呼ばれます。一方で、海洋の火山活動などにより形成された島を「海洋島」といい、小笠原諸島や伊豆諸島などが該当します。

大陸島の生物相は、「大陸の出店(サテライト)」的となることが多く、種多様性が低いのが一般的です。また、海洋島は生物相がゼロの状態からはじまり、独特の生物相が築かれることで知られますが、種多様性は低いのが一般的です。

しかしながら、日本列島の生物相は、種多様性が高いことに加え、遺伝的多様性も高いことが明らかとなりつつあります。生物多様性の世界的ホットスポットとも称されています。

南北に長い弧状列島であり複数の気候区分やバイオーム(生物群系)を縦断すること、大きな標高差、アジアモンスーン気候の影響を強く受けた湿潤な気候などは多様性創出に大きく寄与しています。また、4つの主要なプレートがぶつかりあう場所でもあり、これに伴う火山活動や地殻変動などの地質学的要素も先に述べたような地史と併せて重要な要因の一つと言えます。

そして信州は、東-西日本の境界であり、大きな断層(糸魚川-静岡構造線)が位置し、また2つの大陸プレートの境界でもあります。この地域を境界とした種分化や遺伝的分化は、様々な動植物などで確認されています。すなわち、信州は「生物多様性のホットスポットのなかのホットスポット」なのです。

生物学コース 系統進化学分野 東城 幸治 Link

理学部クエスト 生物の系統・進化に基づく、体づくりの歴史的変遷を解明する
職名 准教授
略歴 1999年 筑波大学大学院博士課程生物科学研究科修了
1999年-2002年 筑波大学生物科学系・準研究員
1902年 科学技術振興事業団・科学技術特別研究員
2002年 日本学術振興会・科学技術特別研究員
2004年 信州大学理学部・助手(助教)
2012年 信州大学理学部・准教授
ホームページ http://science.shinshu-u.ac.jp/~bios/tojo_labo/index.html