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医学部附属病院遺伝子診療部の古庄知己准教授が平成26年度日本小児科学会学術研究賞を受賞しました

2015年04月21日 [受賞]

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 医学部附属病院遺伝子診療部の古庄知己准教授が、平成26年度日本小児科学会学術研究賞を受賞し、平成27年4月18日に大阪国際会議場にて開催された第118回日本小児科学会学術集会において表彰されました。本賞は、小児科学・医療の分野において顕著な研究業績をあげた学会会員を顕彰する賞であり、平成23年の創設以降毎年若干名が受賞しています。古庄准教授は日本小児遺伝学会理事長小崎健次郎教授(慶應義塾大学医学部臨床遺伝学センター)の推薦を受け、受賞しました。

 受賞対象となった研究題目は「デルマタン4-O-硫酸基転移酵素-1欠損による新型エーラスダンロス症候群の発見、疾患概念および健康管理指針の確立、そして根治療法開発に向けた研究」です。古庄准教授は、10年前に顔貌上の特徴、先天性多発関節拘縮、そして進行性の全身結合組織脆弱性を呈する1人の患者さんに出会いました。その後、症例の蓄積から新規症候群であることを確信、国内多施設共同研究により原因遺伝子がデルマタン4-O-硫酸基転移酵素1(D4ST1)をコードするCHST14であることを突き止めました。本疾患の存在には古庄准教授らを含め世界の3チームが別々の患者さんを通じて独立に気づいており、ほぼ同時期に原因遺伝子を突き止めました。古庄准教授は、臨床症状を詳細に分析し、これらの患者さんは臨床的にも同一の症候群であると結論づけ、「デルマタン4-O-硫酸基転移酵素1欠損に基づくエーラスダンロス症候群(D4ST1-deficient EDS;DDEDS)」と命名するとともに、健康管理指針を提唱しました。本症候群は現在までに世界で21家系31人が論文報告され、さらに国内外で新たな患者さんが続々と見つかっており、比較的頻度の高い重要な疾患ではないかと考えられています。日本人が、オリジナルな発想で新規疾患の発見そして疾患概念や健康管理指針の確立に貢献することはきわめてまれです。古庄准教授の発見は高く評価されて、平成23年度日本人類遺伝学会奨励賞、第116回日本小児科学会学術集会最優秀演題賞(広島県知事賞)、平成25年度日本医師会医学研究奨励賞を受賞しました。また、平成25年に発足した世界EDSコンソーシアムの班員にアジア人として唯一選ばれ、世界的にも本症候群の臨床的、基礎的研究を牽引しています。

 古庄准教授は、平成24~25年度厚生労働科学研究費難治性疾患等克服研究事業「デルマタン4-O-硫酸基転移酵素-1欠損に基づくエーラスダンロス症候群の病態解析および治療法の開発(DDEDS班)」の代表者として、進行性の結合組織脆弱性に起因する関節弛緩・変形、反復性の巨大皮下血腫による著しいQOLの低下や生命の危機に苦しむ患者さんのために、臨床的および基礎的研究を推進してきました。こうした成果が認められ、平成27年度日本医療開発機構研究費(AMED)(難治性疾患実用化研究事業)に採択され(92件中12件)、本学医学部組織発生学講座(佐々木克典教授、岳鳳鳴講師)、ヒト環境科学研究センター動物実験部門(松本清司教授、吉沢隆浩助教)、整形外科(高橋淳講師、上原将志医員)、分子病理学講座(中山淳教授)、日本医科大学生化学・分子生物学(武田伸一部長、岡田尚巳室長)、ベルギーのゲント大学(Malfait博士)など国内外専門家との共同研究により包括的な臨床的、基礎的(病態解析および治療法の開発)研究に取り組んでいます。古庄准教授は、「受賞を励みに、これからも目の前の患者さんと真摯に向き合いながら、また共同研究者と活発な交流を行いながら、『信州から世界へ』を合い言葉に独創的な研究を展開していきたい」と話しています。


研究の一部は信州医学誌(59号5巻、305-319ページ、2011年)にまとめられておりますので、ご参照下さい。


附属病院遺伝子診療部
http://www.shinshu-u.ac.jp/faculty/medicine/chair/PM/

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