現在国民2人に1人はがん(悪性腫瘍)に罹患し、3人に1人はがんで死亡する時代になっています。 このような背景とがん医療に関する国民の強い要望に応えるべく、国は2007(平成19)年度に「がん対策基本法」を施行させ、「がん対策推進基本計画」を策定しました。 この政策の大きな特徴の一つに、国内のどこにおいても良質ながん診療が受けられる「がん医療の均てん化」の推進があげられます。この目的達成のために、都道府県がん診療連携拠点病院が設定され、長野県では信州大学医学部附属病院がその拠点病院に指定されています。がん医療に携わる医療人の育成と教育、また医師・薬剤師・看護師・放射線技師などのチーム医療の充実・研修のシステムが構築されてきています。 一方で、文部科学省により「がんプロフェッショナル養成プラン」が作成され、がん医療の担い手となる医療人養成を行うための大学(大学院博士課程)教育を支援するプログラムが開始されています。 平成20年度より、信州大学は、「南関東圏における先端的がん専門家の養成」の9大学13研究科からなる共同体のひとつに参加しています。この中で私どもは、特にがん専門医師の養成を中心に本プロジェクトを推進しています。 個々の専門領域に加えて、化学療法、放射線治療、緩和医療等を習得し、広く均等の取れた臨床腫瘍学を習得し、かつ基礎または臨床研究を同時に修練しながら、専門医および学位の同時取得を目指します。このプランは、大学院博士課程(一般・社会人枠)にも広く公募しています。各履修者の状況に応じた修練プランも可能としています。 信州大学では、がん医療人育成を視点にした教育研究を整備し、体系的な教育・指導体制の実現を目指しています。 |